「kagakutetsugakuinseki01tdyno.68-(7:28).mp3」をダウンロード

実はこの記事は14日頃に書いて、隕石が地球のそばを通過する16日朝の前に出そうかと思っていましたが、隕石本体は地球に落下する可能性がなかったので、危険を煽るようになると思い、控えていました。そうしたら、この隕石の破片と思われるものがシベリアに落ちて、大きな被害を出しました。

どんな情報でも提供する側がコントロールするのではなく、あくまでも事実をそのまま提供して、その情報の判断については受け手を信用するべきだと思いました。

ところで、すでに16日の午前4時を過ぎているので、隕石本体は遙か宇宙の彼方に飛んでいったと思いますが、隕石というと思い起こすことがあります。

一つは、地球に巨大隕石というのは約2700万年ごとに落下し、多くの生物が死んだり、時によっては種の絶滅につながることがあります。この学説は隕石落下の研究者によって確立してきたものです。

最初は「恐竜が絶滅した5500万年ぐらいに一度、落下した」と言われ、その他の絶滅は「寒冷化」と考えられてきましたが、そのうち「どうも2600万年から2700万年ごとに隕石が落下し、複数の絶滅の原因になっているらしい」とわかり、さらに研究が進んでいるということです。

この説を知ったとき、私は慌てて前回、隕石が地球に落ちた時を調べてみたら、次に落ちてくるのは1000万年ぐらい後だと知って一安心したのですが、その時にも地球上には何かの生物の子どもが生きているでしょう。

それにしても、毎日、営々と苦労して生活しているのに、あるときに宇宙の彼方から隕石が落下すると、一瞬のうちにすべての努力は無になってしまうのですから、この世は無常と感じます。

二つ目は、「なぜ、地球上に生命が誕生したのか?」という謎が解けなかったとき、人間は「生命は隕石が運んできた」と考えたのです。その一つに「マーチン隕石」というのがあり、科学者は必死にその隕石に生命の痕跡を求めたのです。

「地球が誕生した時には数1000℃という温度で、生命は存在できなかった」ということと「現在、地球は生命であふれている」ということ、さらには「無生物(たとえば石ころ)から生物(人間)が誕生したとは思えない」という3つを頭の中で調和させることができなかったのです。

「生物は無生物と同じである」ということが1953年にワトソンとクリックによって示されたので、隕石騒動も終わりました。

地球上の生物をすべてなぎ倒すような巨大隕石は1000万年後としても、今回のような小さな隕石はかなりの頻度で落ちたり、かすめたりします。1970年代だったと思いますが、アメリカ大陸をかすめた隕石の写真を見てぞっとしたのですが、それは今回のロシアのものとほとんど同じでした。

やがて、宇宙の科学が進み、計算が出来るようになり、核爆弾を使って隕石の進路を変えることも出来るようになるでしょう。科学が戦争ではなく、人類の危機を救う方向に使われるようになることを期待したい所です。

(平成25216日)