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世界の20カ国ぐらいの学校に調査にいった私にとっては、テレビで「アメリカは・・・」とか「フィンランドは・・」と言っているのを聞いて、鼻白むことがあります。国ごとに教育は大きく違い、それも社会との関係が強いので、一部だけを取ると何でも言えるからです。

アメリカは体罰がないというのもそうで、アメリカはもともと文部省がないので通達がない。小学校や中学校の教育は保護者と先生が勉強する科目も決め、授業などの状態も決めます。教育費用は保護者が負担し、保護者と先生が一緒になって教育にあたっています。

さらに、基本的にはキリスト教という宗教の思想が強く社会にありますし、さらに「お金がすべて」という社会規範も存在するのです。「何のために教育を受けるの」というと躊躇無く「マネー」と言いのですから、あらゆる点で日本と違いますし、身分制も存在し、人種もさまざまです。

小さい頃の教育をアメリカ式に「先生と保護者」でやるのか、日本のように全国一律でやるのかは、その国民が決めることです。これを間違うと戦後の教育が間違ったようにまた再び教育を間違えますので、かなり良く知識を持ち、考えて教育について発言する必要があります。

フィンランドの教育が素晴らしいといわれますが、人口密度が日本の550分の1ですから、まったく日本と生活に関する考え方が違います。その結果、大学入試試験もありませんし、第一「成績は他人と比較するのでは無く、本人がどのぐらいのレベルにあるかを本人が確認するため」ですから、基本的には「一定の点数を合格とする」ということもありません。

一度、フィンランド大使館と教育の研究会をしたとき、私が「成績が悪かったらどうするのですか」とお聞きしたら、「その人はその人で山に入って自分なりの生活をします」という答えでした。つまり隣の家まで5キロもあり、湖の近くは500メートル以内に家を建ててはいけないという制限がある国ですから、常に人と接している日本とは全く違うのです。

また、東南アジアの国に行くと、午後4時になると教授がそそくさと席を立ちます。理由を聞いてみると、給料ではどうにもならないのでアルバイトで稼ぐと言っていました。これもまったく日本とは違います。

アメリカでの実質的な体罰は、教室で暴れたら警務員が連れ出したり、成績が悪かったら容赦なく落第させます。日本の中学校、高等学校をそれぞれ3年で卒業できない子どもが少なかったり、成人式で暴れる若者を見て、それが何を意味しているのか、多くの日本人にはわかっていると思うのです。

前向きに教育をよくするには次のことが必要でしょう。
1)たとえ学校で悪いことが起こっても、批判しない、
2)テレビで学校などが謝ることをしない、
3)尊敬できない先生に教わるほど子どもも苦痛なことはない、
4)イジメはイジメる子どもが悪いことをハッキリさせる、
5)イジメた子どもは退学させるか、修身の時間を作るか、体罰を復活するかの選択をしなければならない。

現在のように学校にイジメを防ぐ手段がなく、イジメが起こったら先生をバッシングしていたら、日本の教育が良くなることもないし、尊敬できない先生から厳しい教育を受ける子どもたちはとても辛いでしょう。

私には最近の論調を聞くにつれて、何を目的にして議論しているのだろうと理解に苦しむ毎日です。教育は長期的に考えなければならないものですし、十分な知識と経験に基づくジックリした議論も必要です。

私たちは「ゆとりの教育」の時に、日本中(政界、財界、マスコミ、市民、労働側など)が全部賛成して実施し、実施後、数年で撤回するという醜態を演じました。その教育を受けた子どもたちへ謝罪もしていません。その時と同じ事(多くの人がよく考えずに付和雷同型(空気に従う)でコメント)をしています。

是非、未来の日本を担う子どもたちのために、「自分の評判や自分の思いつき」ではなく、真剣な議論を望みます。特に本人が気づいていない場合もあるのですが、単にきれい事を言うことに注意をしてください。子どもは未完成なのですから。

(平成2523日)