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第一に、仮に原発がどんな事態になっても原子炉自体が核爆発することはないと言われてきた理由:すなわち「固有安全性」について疑問が残ったままである。このブログでも取り上げたが、福島原発の爆発の後、なぜあれほど必死に注水したのか?(政府はなにを恐れたのか?) 

原子力の専門家でなければ「メルトダウン」という言葉に恐怖を感じたと思うけれど、メルトダウンは放射性物質の飛散という点では危険では無い。だから、何を恐れて政府が必死に水を掛けたのかまだ不明である。

3号機の爆発の噴煙がなぜ上空に昇ったのかが明確に説明される必要がある。噴煙が上方に上がるためには原発建屋の下部で爆発が起こらなければならず、原発下部には酸素が不足するはずなので、水素爆発の可能性は低い。

一方、原子炉が再臨界に達したとすると、原子炉は破壊されているはずだが、破壊されていないと報道されている。つまり、合理的な説明が無いままである。また誰が報道統制しているのかも不明だが、4号機の爆発映像は定点カメラで福島中央テレビやNHKが保有しているはずだが、公開されていない。

人命と今後の大きな選択に関係するのだから、国民の知る権利の大幅な違反である。

また多重防御については、それが原発の安全の基幹であると繰り返し述べられたにもかかわらず、現実は福島原発、他の原発を含めて多重防御になっていないことが明らかになった.このことについて「詐欺罪」を検討し、誰がどのようにウソをついたのか、そのウソは今後の再開に問題が無いのかを明らかにしなければならない。

体罰問題などであれほど報道をくり返すマスコミは、2011年の大事故と今後の日本の将来に大きな影響を与える、この巨大なウソをまったく追求していない。

核爆発系、電源停止系、テロ系、多重防御系および人為的事故系について、「多重」とは「何重」なのか、具体的にそれぞれについて、どのような「多重防御」が施されているかも曖昧である。

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次に、安全設計には具体的に「どういう状態を安全と言うのか」ということが決まっていないとできない。素人なら「おおよそ安全」ですむけれど、工学的には、基本設計はもちろん、制御系や機器の信頼性、鉄板の厚みからはじめてすべての設計は基本として守らなければならない「数値」が必要である.

これまでは、その基本となる数字は「通常時11ミリ、1万年に1度の頻度で起こる事故に対して5ミリを限度とする。原発敷地境界で0.05ミリ」となっていたが、福島原発事故ではあらかじめ決まっていた基準の根幹をいとも簡単に放棄した.これでは安全設計は意味が無かったことになる.

現在進んでいる規制委員会の基準に「守るべき数値」が表面にでていない.仮に「政治的に明らかにできない」という状態で安全基準を決めるなら、また危険な原発を動かすことになろう。

特に規制委員の中には中村委員のように「120ミリまで大丈夫」と繰り返し法令や今までの安全基準のもとになる数値を否定している委員がいる。自らの信念から発言しているなら、法令改正を先にしなければならない。このままでは「国家の要職になりたいために政府にゴマをすった」と言われても仕方が無い。

日本のように原子力発電所が海岸線に建設されている場合は、海への放出限界も決めておかないと安全設計はできない。2011年の事故では「無制限に海に放流できる」という方針のもとで行動していたが、常識では考えられないことである。

第三に、2006年の原子力安全委員会の場で「想定外の事故が起こりうること、大量の放射性物質が漏洩し、国民が被曝する」が明記された文章が配られた.この記載は原発の安全性の基幹に触れるもので、実に重要であり、私も質問したが回答は明確では無かった。

当時、この文面がどの段階(安全委員会?首相?閣議?)まで承認されていたのかを明らかにし、それが現在も継続しているのかについての情報を公開する必要がある。「想定外の事故なら被曝はかまわない」という内容だからきわめて重要だ。

また、安全を保つという点では、「想定外」が任意に決定されるなら事故のもとになる。事故の確率の議論では1万年に一度以上の事故を想定しているのに、1000年に一度の事故を「想定外」としたのだから、この問題は明確にする必要がある。

つまり、今回の地震や津波は1000年に一度であると言われているが、安全設計では1万年に1度の事故を想定していたのだから、実は、2011年の事故は想定内の事故であったことは間違いない。安全基準というのはどのような場合を「想定外」というのかもハッキリしておかないと意味を持たない.

(平成2521日)