「comment01tdyno.61-(8:22).mp3」をダウンロード

規制委員会の新しい原発の安全指針がパブリック・コメントの時期を迎えましたが、その内容は極端に貧弱で、このことを多くの人がコメントを政府に出す必要があると思いましたので、少し長いのですが、「このまま原発の基準が決まったら、危険なことになる」ので緊急で掲載しました。パブリック・コメントを出すご参考になればと思います。できるだけ普通の用語を使って話します。

・・・・・・・

2012年の福島原発事故はなぜ起こり、なぜ恐怖をもたらしたのだろうか? 日本のもっとも重要なものの一つであり、国民の一人として、また科学者として見解を示したい。長大となるが必要な点は網羅した。

まず、それは次の7項目にまとめられる。この重要なことが基準に入っていなければならない。

1) 固有安全性と多重防御という2大概念を設計に取り入れていなかった、

2) 事故時の被曝限界を決めておいたのに、真剣に守ろうとはしていなかった、今、被曝限度不明のまま、基準が決まろうとしている、

3) 「想定外の事故」に対して責任を持たなくても良いことになっていた、

4) 危険だから東京でつかう電気を新潟と福島で作っていたのに安全だとしていた、

5) 原発からでる廃棄物をどうするか決まらないまま運転していた、

6) 事故が起こった時、何をすれば良かったか決まっていなかった、

7) 低線量被曝による健康被害が明確になっていなかった。

原発に少しでも関係した専門家なら、この7つの未解決課題があることに合意できるだろう。だから、この7つの課題に対して明確な回答をせず、原発を稼働させるのはきわめて危険である。

原発は巨大なもので、広島原爆と比較すると数1000倍の放射性物質を保有して運転している。だから、ひとたび爆発すると、福島原発のように、日本の国土、子ども、そして経済に対して甚大な影響を与えることなる。

よく、「原発を再開しないと日本経済に甚大な影響がある」と言われるが、それは「原発が事故を起こさないなら」という前提に基づいていて、そのためには「安全に稼働させるための基準の存在と実施」が前提であることも言うまでも無い。

私は経済より日本の国土と子どもを大切にしたいが、これは経済の発展、国の発展と同じである。原発が危険なら、運転を継続することは日本に大きなダメージを与えるから、経済が発展することはない。もしくは「戦争によって経済が発展する」と同じ論理で、「人の幸福よりお金が優先する」という哲学に基づかなければならない。

次回に、項目別に慎重に考えていきたい。

(平成2521日)