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(音声が主体です)
新春に心配なのは子どもの被曝です. 政治とか、人の財布を狙っている人を減らすぐらいの問題はありますが、子どもの被曝とは心配のレベルが違います. 私がなにを心配しているかというと、
1)政府や有識者が「1年1ミリ」を守ってくれない、
2)ウクライナやベラルーシでチェルノブイリの影響がまだあり、「移動」ではなく「出生率と死亡率」の関係で人口が激減している、
3)「さいたま市と同程度の線量であるウクライナ市で健康な子どもは6%しかいない」や「ベラルーシの人の甲状腺ガンがまだ増え続けている」などもある程度の信憑性がある、
4)ヨーロッパを中心として「1年0.1ミリ」を基準にすべきとの学者も多い。
5)福島の子どもの甲状腺異常は40%程度に達し、茨城県でも小中学校の1年生の検査で精密検査が必要とされた子供は、事故前は最高で1.79%だったが、2011年には2.38%に、さらに2012年には5.26%になっている。
これらのことは「100%正しい」とか「学術的に確実である」というものではありません。しかし、水俣病やその他の公害などで私たちが学んだのは、「怪しければ注意する」ということであって、「怪しくても学問的な確実性がなければ、安全とする」というのは間違っているのです。
この歴史的経験と、それに基づく簡単な原則を大人が守る勇気がないことを本当に心配しています. 私たち科学者や医師は「被曝しても子どもは大丈夫」というほどハッキリしたデータや学問的知識を持っているのではありません。
福島での避難基準などを決める委員会である医師が「君の言うことは学問的な確実性を持っていないじゃないか!」と叱責していました.その発言を聞いて、その医師が「危険とは何か」を良く理解していないか、万が一にも病気になる子どもたちの人生に思いが至らないのでは無いかと思います。
やはり今年も「被曝を減らす」ということに力を注ぐ必要があると思います.新年に当たって再度、「事実を真正面から見る勇気を持ってください」と政府や学校関係者、有識者に呼び掛けたいと思います.
(平成25年1月4日)