食材の汚染を研究、測定している方との合作で、現時点と近未来の汚染についてまとめてみました。すでにこれまでこのシリーズで出したものとダブる場合もあります。簡単にまとめましたので、頭に入れておいて、少しでも避けるようにするのが良いと思います。
【これまでと同じように地域も広範囲に気を付けるべきもの】
・キノコ類
今日のテレビで「キノコがダイエットに良い」という宣伝を見ました。良心的な食材メーカーならキノコの汚染が激しいのですから、それについても触れるのが適当と思いましたが、まったく触れていません。
・太平洋側の魚介類 (マダラ・ヒラメ・カレイ・クロダイ・スズキ・アイナメ等)
広い海を回遊するサカナにはあまり汚染が見られず、狭い地域で活動するサカナに汚染が見られる傾向が続いています。
【長期間、産地がどこかに気をつけるもの】
・山菜類(タケノコを含む)
ハーブ類
レンコン、里芋など
木の実(栗、クルミなど)
常緑樹の果樹(ミカン、柚子など)
ブルーベリーやキウイフルーツなど
・乾物類(切り干し大根など)
・淡水魚(ワカサギ、鮎、イワナ、モツゴなど)
ジビエ類(イノシシ・鹿肉・野鴨・馬肉・野鳥・野うさぎなどの野生の鳥獣類)
・山菜類や土の中に根を張るものの汚染が続いています。これは森の土壌などの改善が遅くなるのと、落ち葉などが汚染されているためです。また樹木が汚染されてその結果、果実に移行しているものに常緑樹のミカン、ユズなどが汚染されています。
事故直後にこのブログに書きましたが、チェルノブイリの状態から見ると、セシウムは土の成分と類似しているので、土との親和性が高く、1年に1センチぐらいしか沈みません。そのデータからいうと事故から1,2年ですから、1センチから2センチの浅いところにまだ「居る」と考えられます。
淡水魚は川のイオン(元素)が少ないので、体の中にセシウムなどが蓄積しがちです。またイノシシなども山が汚染されていますので、やはり肉も汚染されます。
これらのものはいずれも「地域性があり、長期的に汚染される可能性がある」ものです。
【産地と生産した年の両方に気を付けるもの】
穀類、大豆などの基幹的な農作物は、産地と、その産地が汚染されている時期のものが入り交じっています。それは野菜などに比較して貯蔵ができるので、2011年春以前のもの(完全に安全)、2012年と様々で、しかも偽装や出荷待ちなどがあり、「安全だけれど(全体としては安全だが)、極端に危険なもの(事故の年の福島の農作物)などが混合している」という状態です。
これに該当するものは、
・小麦粉 ・そば粉 ・大豆・小豆 ・玄米
・林檎、柿などの果樹
【原材料に気をつける加工品】
・平成23年産の穀類を使用したもの(玄米・蕎麦・うどん・小麦胚芽入りシリアルやクッキー、ビスケットなど)
・平成23年産の大豆を使用した製品(豆腐・豆乳・きな粉など)
*流通品のベビーフードから3.4Bq/kg出たものがあり。材料に白身魚・キノコ・レンコンなどを使用しているものは要注意
流通している食材とは違って、自家製や近所のものでも、
【関東圏辺りでの自家栽培のものは流通品より汚染が高い可能性もある】
全体として陸のものの汚染は減っています。「平均値の法則」を利用して、「偏らない。同じものを食べない。同じ所のものを避ける」ことをすれば平均値として1キロ40ベクレルを下回ると考えられます。
またこれもこのブログでくり返していることですが、被曝による病気は「確率的」なものです。難しい表現ですが、交通事故と似ています。交通事故は1年に5000人が亡くなりますが、それと同じ危険な状態が1年1ミリです。
もし1年10ミリですと、交通事故に遭うのに比較して10倍も危険で、年間5万人の死者になります。このように「どこまでが安全で、どこまでが危険」というものではなく、「車に注意しなさい」とお母さんが言うように、子どもが登校するときには誰でも危険なのですが、お母さんの言いつけを守って車に注意しながら登校する子どものほうが交通事故に遭いにくいということです。
被曝と患者さんの出方が数年後にわかりますから、それが比較的安全なら、少し警戒を緩めるというのが正しいでしょう。今の段階であまり大きく油断するのは将来に禍根を残します。
(平成24年12月29日)