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テレビなどでは政策論争などをしているが、2012年の衆議院議員選挙(今度の選挙)は戦後の政治の歴史の一コマとして長く伝えられるだろう。自民党が大勝したということではなく、「選挙の関心が高いのに、投票率が低かった」ということだと思う。多くの人が「投票したくない」という気分であり、余りに長く続いた民主党の最低の政治はイヤだし、かといってこのまま不景気が続くのも耐えられないという現実問題から「しかたなく投票した」からだ。

その第一原因は公約と正反対の政治をしたという民主党にあるが、第二原因は「政党名に示された政策無き政党」にあったと考えられる。議論するべきは「一つ一つの政策」にあるのではなく、「骨組み」をいくつか示すことだと私は思う.国防軍、外交、原発、TPPのようなことを一つ一つ決めるのではない。

未来、維新、太陽・・・などは党名からは政策を推定することすらできない。「未来」はどういう未来なのか、その未来に到達するのにどういう考え方をとるのかが問題であり、それが推定もできない党名では党名がないのと同じである。

民主、みんな、公明、国民の生活が第一・・・これも党名とは言えない。民主主義を否定するなら別だが、今の所、政治家で民主主義を否定し、選挙をしなくて良いと言っている人はいないからだ。

わずかに政策を推定できる政党は「共産党」だけだ。「未来を作り、維新を実現する方法として共産主義にする」としているように見える。しかし、共産党の議員は「共産党は共産主義ではない。昔の輝かしい歴史を尊重して党名を残しているのだ」と言っているので、これも政党名ではない。

できるだけ自由を尊重して規制をせず小さい政府で民活で行くという「自由党」と、社会保障などを増やして規制をし、増税して大きな政府で行くという「社会党」ならわかるが、自民党は増税で、原発を国が進めるのだから自由党ではない。

自由党なら減税し、規制を緩め、原発も電力会社のリスクでやり、電力の独占を止めるという政策になる。基本方針が決まれば、自動的に政策の方向が決まる.基本方針がハッキリせず、党名が曖昧で、政策だけが「合意できるか」ということは考えられない.

すでに「自由党」と「社会党」の区別は古いかもしれない。そうなら新しい時代の基本的な対立軸があるはずである.現代の日本の政治家は「どういう方法で日本を発展させ、国民を幸福にするか」という方法が思いつかない。だから、大きな方向を示さず、一つ一つの問題についてマスコミが作った「空気」に従ってコロコロ変えるだけだ。いわゆる「ぶれる」というのは、方法が決まっていないからだ。

1. 小さな政府の「自由党」と大きな政府の「社会党」はあり得る(少し古い。自由党と似た考えの「減税党」があったけれど国政では消えた)。
2. 地方重視の「連邦党」と霞ヶ関集中の「東京党」はあり得る(2012年の選挙で「連邦党」ぐらいは出てくると思ったけれど、出てこなかった)。
3. 現場重視の「現場党」と管理中心の「虚業党」はあり得る。

私は、「現場党」がよいのではないかと思う。現在の日本は、食糧自給率1%の東京がもっとも所得が多いことでわかるように「現場で作って→作っていない人がピンハネする」という構造で、ピンハネ組がいばっている。あるものに対して所得の分配率が悪いのだろう。

「税金を納めている人が苦しみ、税金をもらっている人が楽をしている」と言ってもよいと思う。これも「分配率」が悪い。このような社会は衰退すると私は考えている。実質的な発展は現場にあるので現場が優遇されるような社会でないと日本は衰退し、子どもたちの時代は悲惨な日本になるだろう。

原発問題も「現場党」なら、安全が証明されず、土地が汚れるし、火力発電所を建てれば良いのだから、原発は再稼働しないことになる.

上の1から3以外に日本を発展させる「対立軸」があると思う。政治家が「何をやれば日本は繁栄するのか」をハッキリすることが大切な時期と思う。また、原発は現実に爆発し、原因もハッキリせず、被曝も続いているのだから、これは政策以前(もちろん再開できない)だ。

(平成241219日)