原発事故以来、思いがけないことが多く起こった.「原発は安全だ」と言っていた人が何も言わない、被曝は危険だといっていた人が「安全だ」という.企業の社会的責任が大切だといっていた人が、東電はコロッと違う態度を取る・・・
でも「日本を大切にしろ」と今まで言っていた人が「国内法令の精神と数値を無視し、白人が主体のICRPに従って、日本国民を被曝させろ」という主張をくり返したのにはビックリした。友人もおおかったので、どうしたの?と言いたい。
誰にダマされたのかしならないが、私は日本に誇りがあり、愛国的と言われる人タッチをこれまで信頼していたので、ひどくがっかりしている。
一応、整理をしておきたい。
1) 一般人の被曝限度1年1ミリ、土壌の汚染限界(汚染者がかたづける限界)1平方メートルあたり4万ベクレル、事故により新規ガン患者の最大数150名などが日本人を被曝から守るために日本人が決めた数値である.
2) 日本の法令では「被曝を可能な限り減らすように努力する」とある。
3) 福島の子どもの被曝限度1年20ミリは、1年に胸のレントゲン400回に相当し、これは従来の日本文化にない被曝量である。
4) ICRPは白人が主体のNPO(任意団体)である。
5) 被曝の被害は直ちに発生するものではなく、
6) チェルノブイリの時には原子炉自体が爆発し、かつ死亡したのは消防士だった。
これに対して今まで「愛国的」な言動を取っていた人たちの言い分は、
1) 日本人が決めた法令は付和雷同型の日本人が決めたので、当てにならない
2) 日本人より偉いから白人の決めたこと(ICRP)に従って、日本人の子どもに1年20ミリ、一般人に1年100ミリは妥当だ。イチかバチかでよい。
3) まだ誰も死んでいない。
である。
私にとってはまさに驚天動地である。まさかあの愛国的だった人、天皇陛下を敬っていた人、歴史教科書を作った人たち、日本を愛し、日本人を尊敬していたい人・・・それが、日本人をバカにし、白人を崇拝し、日本人の子どもを被曝させ、アメリカのGEが作った原発を擁護し、汚染された日本の大地、汚染された日本のお米を「我慢しろ」と言うのだから.
今までその人たちから聞いた、あの言葉は何だったのだろうか?
「日本を愛する」というのは表面的なことで、単に「力に弱い」とか「権力に従う」とか、「アメリカは尊敬できる」ということのように感じられる.また、いろいろな場面でその人たちの言っていることを聞くと「日本の庶民はバカだ.俺たちの方が偉い」と言っているようだ。
ということは、これまでも日本人を信用していたのではなく、単に「俺たちは偉い.だから左翼とは違うのだ」と考えていたようにも思える.「歴史を見直す」とは一体何だったのだろうか?
今も被曝している子どもに健康障害がでたら、法令を守らなかった私たちはどのように責任がとれるのだろうか? 可哀想に。
(平成24年12月16日)