日本の閉塞を打破するには「不正」を直すのが最も良い。それには第一に「ダダ漏れ」、第二に「仮に不祥事が起こったら正直に説明する誠意」のこの二つだろう。この2つを守るように社会が断固として戦えば、私はそれだけで8割程度は良い日本を取り戻すことができると思う。
「ダダ漏れ」というのは「ネット」と「監視カメラ」の時代になったから実際に行うことが可能になったもので、官庁の会議室や大学の講義室、市役所の事務室など原則といて「公共」の所にはすべてカメラがついていて、それがオンラインで配信される.
たとえば、財務省の会議室や局長室はすべてダダ漏れ状態になっていて、そこに国会議員が来て横やりを入れたり、大学の同期の人がきて利権をむさぼろうとすると、それをいつでも見ることができるというものだ。
もともと「企業秘密」と言うけれど、私たちの日常生活でそれほど秘密にしなければならないことはない。私もすべての講演などは録音、録画OKでやっている。お役人や大学の先生は常に知られても良いことしか言ったり、行動したりすれば良いので、私生活ではないのだから、それで全くストレスは感じない.
「どう言ったら自分の得になるだろうか?」と考えるほど、人間の頭脳は複雑ではないように思う.それを考えるなら「どうしたら自分の力を発揮できるだろう.その力の範囲で良い」としたほうが得になると私は信じている.
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第二に、常に身を綺麗にしておいて、突如として人生が終わりになる覚悟をつけておくことだ。
かつて新聞記者が貧乏で、腰に手ぬぐいを差し込んで赤提灯で一杯やっているときには事実に基づく良い記事を書いていた.ところが、20万円もする背広を着込み、ブランドもののネクタイを締め、ワインを飲むようになって新聞は政府よりになり、記事は提灯になった。
「提灯を忘れて提灯となる」
原発は安全と言っていたのだから、原子力の学者、電力会社はまず謝罪し、辞職し、それから再スタートを切る必要がある。もともと日本の原子力は広島・長崎があったから「公開」が原則なので、こんな暗い原子力になるとは思っていなかったけれど、やはり「少しでも得」と考える人が多くなって秘密主義になった.
その点、敦賀原発で日本原電が「敦賀の断層は大丈夫だ.危険というなら科学的根拠を示せ」という公開質問状を出したのは評価できる.常に公開の場で議論することが大切で、日本原電の茨城第二原発は、防潮堤(東海第二の場合は「防護壁」と呼んでいる)に穴が空いていて東北大震災の時に、せっかく防潮堤(防護壁)の高さは十分だったのに、穴から海水が浸入して停電し、あわや爆発という所まで行ったと「噂」されている。
この際、日本原電が敦賀の断層で公開質問状を出したのだから、私も日本原電に対して「茨城第二原発の東北大震災の被害状況」について、「爆発寸前ではなかったのか?」という公開質問状を出すので、お答えをお願いしたい.
(平成24年12月12日)
(注)原発などの建築物を外部からの打撃に対して守るために、防潮堤、防護壁、フェンスなどさまざまなものが用いられる。ここでは専門的な用語を可能な限り減らすことで、海側の防潮堤の役割を果たすものを防潮堤と呼んだ。