北朝鮮が2012年12月10日から22日までの期間にミサイル打ち上げると発表したことで、日本政府は強く北朝鮮に抗議をした。
ところが数日後、その政権の官房長官が「さっさと月曜日に上げてくれるといいんですが」と言う。これを当の本人は内容の反省をせず「舌足らず」と弁明している。正直に「北朝鮮のミサイルなど大したことはない」と弁明するべきだ。
つまり、これは単なる言い間違いの問題ではない。北朝鮮がミサイルを打ち上げるのはケシカランと心の底から思い、そんなことがあったら日本国民が危険にさらされると考えているのなら、その考えがあるからうっかりしても「さっさと上げて欲しい」などという言葉は思いつかないからだ。
今度の発言は国内の不信感をさらに高めたばかりではなく、日本国という国は平気でウソを言うことを国際的に明らかにしたことを意味している。何しろ重要閣僚の発言だから国益の損失も甚だしい。
「国外、最低でも県外」、「直ちに健康に影響はない」、「増税に政治生命を賭ける」、そして「ミサイルを打ち上げて欲しい」・・・どれもこれもまったく政治的な信念もなく、ただ口先だけ、その場限りで発言していた政府、とうとう最後までそうだったかと思う。
ところで心にもないことを言う政治家が多く立候補している現状を考えると、小選挙区だから、一つの選挙区に誠実な政治家を探すことができない場合が多い。
この際、新聞やテレビは形式的に党首の議論など止めて、「過去の言動から、誠実な政治家のいる小選挙区」を明らかにして、国民は自分の選挙区ではなく、「誠実な政治家が立候補している選挙区」で投票できるようにしなければならないだろう。
今のままでは日本国憲法に定められた国民の権利を行使できない。議員定数の最高裁判決より実質的に権利の喪失になる。
(平成24年12月8日)