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お子さんをお持ちの方は「牛乳の汚染」に頭を悩ましてこられたと思います。このことについて、基礎編、経過編、現在編に分けて解説をします。このシリーズには多くの方がご協力頂きました。その方々やブログのご紹介もシリーズの中で進めていきますので、さらに詳しくは参考資料やブログをご覧下さい。

【牛乳汚染の基礎編】

牛乳汚染に注意が必要なのは、チェルノブイリのときに牛乳の汚染から小児がんが6000人でたとされていることです。私たちの判断力はそれほど高いものではありませんから、まずは経験したことに注意をするというのが私の考え方です。

次に、牛乳はどこからか運ばれてきた牧草を食べた牛のお乳が汚染されますので、意外な場所で甲状腺がんにかかる人が出てくることです。これもこれまでの経験でわかっています。

第三に、原発事故後にわかったことですが、日本の大手の牛乳メーカーが実に不誠実だったことです。牛乳を出荷するときに汚染は容易に測定できますし、乳児が牛乳を飲んでくれるから牛乳メーカーが存在できるのですから、今までのご恩に報いるためにも、原発事故が起こったら積極的に汚染状態を出すと思っていたら、まったく隠したままでした。

こんなことが日本の一流食品メーカーで起こるとは思ってもいませんでした。今まで中国の食品についてあれほど厳しいことを言っていたマスコミも政府やスポンサーに気兼ねして、日本の子供を裏切りました。

【経過編】

原発事故直後の牧草の汚染について、それほどはっきりとわかっているわけでもありませんが、たとえば2011年には岩手県南部などで最も危険なレベルになり、茨城県でも1キログラムで1000ベクレルを超える状態も見られました。福島県の原発付近でさらに危険な牧草があったと考えられます。

当然ですが、原発事故直後はそらから広島原爆が186発分に相当する放射性物質が落下してくるのですから、土地の一面に広がっている牧草が汚染されるのは当然です。本来は直ちに政府や自治体が出動して、牧草の測定を行い、一定の汚染された牧草を放射性物質を取り扱うことができる施設で焼却し、放射性物質を補足すれば随分、酪農家は助かったでしょう。

でも、政府は何もやらず、「安全だ」、「汚染されるはずはない」を繰り返し、酪農家はそれまで子供が買ってくれた恩を忘れて、なんとか汚染を隠そうとしました。日本の酪農家は魂も、職業に対する誇りもなかったのですね。

それから1年を経て、多くのお母さんが苦しみましたが、ヨウ素はなくなり、セシウム134(137ではない)も半減期が近づいてきました。その結果、2011年には各自治体の検査でも10ベクレルを超えるものが連続していたのに、岩手県南部の原乳も1キログラムで2ベクレル程度になってきました。

現在(201212月)では、牛乳の平均的な汚染度は1ベクレルを切っているものと思われます。

【現在編:今はどうしたらよいか?】

年齢や好みからお子さんに牛乳を飲ませる必要のある人は、できるだけ大手の牛乳メーカーを避けて地元の牛乳を選び、もし大手を選ばざるを得ない場合は、同じメーカーのものを買い続けずに、外国産や地元の牛乳などと並行して購入してください。たとえ大手の牛乳に放射性物質が入っていても「平均値」が問題ですから、それで安全になります。

この際、牛乳や乳製品から少し離れることも大切でしょう。もともと日本人は牛乳など必要のない体をしていますし、牛乳の分解酵素を持たず、アレルギーがおこる場合もあります。日本人はカルシウムを魚などからとってきた民族でもあります。

いずれにしても事故直後から不誠実な行為を繰り返してきた日本の農水省、酪農家と大手牛乳メーカーですから、これからもあまり信用はできません。国民が税金を収めているのですから、農水省は国民の味方かと思っていましたら、実は生産者の利益代表だったのです。子供を裏切る牛乳関係者って、いったいなんなのでしょうか?

【豆乳もあまり飲むと・・・】

牛乳がダメなら豆乳をということで豆乳を水がわりに飲んでいる人もいますが、豆乳も「過ぎては及ばざるがごとし」で、最近問題になっているフィチン酸などを含んでいるので、適度に飲むことが大切です。

大豆を使った食材には納豆のように発酵させて食べるものが多いのですが、これは大豆のフィチン酸ががんを抑制する効果はありますが、同時に金属元素をとりこみます。このことが「玄米や豆乳は放射性物質をとる」といわれた原因で、正しいのですが、鉄分や亜鉛なども取れなくなるので、他の病気にかかります。

フィチン酸というのはベンゼン環にリンが6つもついた複雑な化合物で、金属元素と錯体というのを作り、取り込んで離さないという性質があります。つまり、良い面もあれば悪い面もあり、食材としては功罪あい半ばするというものです。

もちろん納豆などの発酵大豆も取りすぎてはダメです。かつてはお金がなかったので、食材をあふれるほど食べるということはなかったのですが、今ではいくらでも買えるので、過剰にとるひともおられます。

なんでも「過ぎ」ることは「足りない」のと同じという精神で、あまり多く取らないことが大切です。

(平成24127日)