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選挙戦・・・2009年の「変革」の意味は何だったのだろうか?

日本が大東亜戦争に突入したのは、1)誰も戦争をしたくなかったのに、空気で戦争に突入した、2)日本を一歩離れると通用しない情報や論理が日本国内だけで通用する、という2つの問題があったと戦後、指摘され続けてきた. それは明治維新から約50年を経た2010年から顕著になった。

でも、戦後50年にはまた同じことがおこり、日本では「もったいない」、「リサイクル」など現実逃避と世界からの乖離が見られるようになった。それはさらに広がり、節電、TPP、自然エネルギー、温暖化対策などいずれも諸外国ではほとんど実施されていない政策や事実認識であり、日本国内では本流である。

先日、ある会合で軽い衝撃を受けた。そこに出席していた人にとって、「世界で日本だけが実施している事」が「本流」であると認識していることだ。簡単に言うと「NHKが報道すると、それが世界でどんなに非常識でも日本では本流になる」ということだった。まさに現代版の大政翼賛会と大本営発表である。

1) 日本全体で節約をする必要は無いのに、節約し、節約の中でももっとも危険な「節電」をして中国に水をあけられ、尖閣諸島問題で困っている、
2)世界の地域ごとに自由貿易協定が組織化される中、日本は常に受け身で政府に計画がなく、外圧のように言われているし、TPPの案は日本に著しく不利なものだ、
3)世界はシェールオイルを中心とした化石燃料を成長の柱にしているのに、日本だけは自然エネルギーやメタンハイドレードなどに税金を投入しようとしている、
4)世界でCO2を国単位で削減しているのは日本だけ(他の国は国の発展を重視してCO2削減などやらない)なのに、日本ではまるで世界中がCO2の削減をしているように言われる、
5)アメリカでトヨタ車が問題を起こしたのはトヨタ車の欠陥のように日本では報道されているが、アメリカ運輸省の策略だったことが知られているのに、それが日本に伝わらない(国が国を守らない).
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まだ通信や情報が行き渡らなかった大東亜戦争当時に、このような事が起こるのは考えられるが、グローバリゼーションが進んだ現在、情報は瞬時に世界を駆け巡るのに「英語が読めない」というだけで日本の情報が極端に違う方向に行く原因はどこにあるのだろうか? 

NHKが「ヤラセ番組」を多発することが原因の一つになっていることは確かである. 節電を勧め、TPPがあたかも外圧のように報道し、原発の代わりには自然エネルギーしかないような解説をし、南極の気温は変化していないのに温暖化しているという番組を組む. これでは国民が世界情勢を見誤るのは当然のように思える.

でも、原因はNHKだけだろうか? どうも、日本国民側もなにかの集団性の精神疾患にかかっているような気がする.社会学や社会心理学ではどのように解釈しているのか、これまで私が接触してきた書籍の中ではこの「両価性」(価値の違う事を同時に信じる心理状態)について良く解説してあるのは岸田秀先生のご本だ.

私が、日本人が集団性の精神疾患にかかっているのではないかと思うのは、講演や研究会で多くの人と交流すると、「報道されることが全体としてのつじつまが合っているか? これまで勉強した学問的内容で説明できるか? 外電などとの矛盾はないか?」など最小限のチェックをせずに、あるいはチェックをすると間違いがわかるということを恐れて、NHKの報道のまま信じているからだ。

そして、自分が「そうだ」と錯覚していることと違う事に対して、ものすごく強く反発する。反発の様子を見ると「自分で間違っているとわかっているのではないか」と思われるふしがある. 人間は自分の考えている事に自信があると異論にも反撃せず、自信がないと反撃が厳しくなる. おそらく自分が言っていることが間違っているか、ウソをついているという自覚があったのだろう.

2009年の総選挙のあと、民主党の首脳部がすべて能面のような顔をして記者会見をしていたが、すでにその時、民主党が掲げていた「変革」が現実には「古い体制で不可能な変革」であることを察知し、それが能面のような顔を作っていたと考えられる。

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かつて私たち日本人は「誰も戦争しようと言わなかったのに、空気で戦争を始めて310万人の犠牲者を出した」という反省をしているのに、また同じことをしようとしている。だれもが「景気が良い方が良い。日本が発展しないと子どもたちが心配だ」と思っているのに、「節約しよう」と言っているのもその一つだ。

アメリカの原発が「採算があわない」という理由で買い手がつかずに廃炉になろうとしているのに、日本では大手を奮って「原発の方が安い」ということを言う識者が絶えない。この人たちは「実際に電力費のコストを自分で計算したのではなく、人の受け売り」なのだ。つまり「両価性」が日本に蔓延しているのは「受け売り文化」だからだろう。

エネルギーは天然ガス、石油、石炭でまかなえば良く、まだまだ交通網も発達していないのだから、高速道路や通学道路を作り、もっと楽しく日本が発展する方向に行かなければならない。そのためには、民主党、自民党という「国家を単位に動く政党」ではなく、日本が大きなブロックとして活動する「連邦党」でなければいけない・・・それはすでにわかっていることだ。

戦後、50年目に「左右の対立構造」が崩れたがそこで西郷隆盛も勝海舟も現れず、そのまがいものが出現した。「2%の原理」によって生じた歪みは解消しなければならないが、そのためには「江戸幕府」ではなく「明治政府」に無血開城しなければならないのだ。

選挙を経ないで既存5政党が退けば、西郷・勝の業績を再現することができる。

(平成241115日)