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「節約」は日本人の美徳と言われるけれど、それは「自分や自分の家族のため」であって、「環境のため」に「節約」をしたことは昔も今もいないと思いますし、少なくとも私は「環境のために節約している女性」を人生で見たことがありません。

ある女性が一月に30万円を使うとします。その女性が「環境のために節約しよう」と思って、タクシーや電気を節約し3万円が余ったとします。その時点ではその女性は確かに節約したと言えます。

ケース1: 余った3万円で美味しいケーキを食べた場合
この場合は、「節約」ではなく「お金の用途の変更」ですから、環境に対しては節約になっていません。

ケース2: 余った3万円を銀行に預けた場合
この場合は銀行に預けた3万円は直ちに誰かに貸し出されますので、女性が27万円使い、借りた人が3万円使うので、環境から見ると30万円が消費されたことになります。また、半年後に女性が3万円を下ろしてケーキを食べたら、合計33万円が使われますから、環境には悪い行為になります。

ケース3: 真に環境に対して貢献する方法
真に環境に貢献する方法は、27万円を使ったら、残りの3枚の1万円札を破ることだ。お札を破るのは法律違反になるかも知れないが、そうしないと「環境のための節約」をすることができない。

私はずいぶん長い間、生きてきましたが、節約して余ったお金を破っている女性に会ったことはありません。また仮に日本人がすべて余ったお金を破れば、お金の流通量が減って、日銀がお札を刷らなければなりませんので、実はこれも最終的には環境のために節約はできないのです。

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こんな当たり前のことをなぜ大の大人がやっていたり、人に「環境のために節約しよう」と呼び掛けたりしているのでしょうか?

私の推察では、「中央官僚と知識人の連係プレー」と考えています。社会に「節約」を呼び掛けますと、当然、消費量が減ります。個人の手元にお金があまるので、銀行に預金します。

みんながドンドン消費してくれれば、その分だけ生産したりサービスが増えるので、銀行からお金を借りる企業の人が多くなりますが、なにせ節約した分の貯金ですから、そのお金を使って設備投資をしても売れません。

銀行にはお金が余るので、そのお金を「赤字国債」を発行して政府に移動します。政府の事業はその94%が赤字ですから、赤字の補填のために増税をすることになります。つまり、日本国はドンドン衰退しますが、そのお金を使う官僚や、解説をする知識人にはお金が集まるという仕組みです。現在の「東京ピンハネ構造」はこうしてできました。

中央官庁と優れた知識人の連係プレーの他、雰囲気に流されやすい人、夢を見る人、よい子になりたい人などが、「節約は日本人の美徳」という言葉に酔ってうっかり参加した人もいるように思います。でも、子どもも見ているのですからウソはあまり感心しません。

多くの日本人は「まさかそんなことまではしないだろう」と思われますが、すでに現在の日本に「国ため」とか、明治天皇が言われた「万機公論に決すべし」などということは無くなったのです。中国人が我が身を守る事に注意するように、日本人もついに「国を信用できなくなった」という段階に達しました。

ところで、庶民にも責任があります。普通の人なら「貨幣経済のもとでは節約はできない」と言うことは身を以て知っているはずなのに、「よい子症候群」にかかって「自分は環境のために節約している」と言いたいというところを狙われているのです。

「節約」は心の問題としては大切ですし、家族があい協力して日常生活を切り詰め、夢のマイホームを買うとか、旅行に行くというのは良いことですが、これは決して「環境のため」ではなく「幸福のため」であることをハッキリさせておく必要があるでしょう。

(平成24119日)