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宮城と茨城の子供達がどのぐらいの被曝を甲状腺に浴びているかについてアメリカ軍や日本の方が計算しました。大人と1歳児から17才まで生活の仕方などによって被曝量が変わるので、年齢ごとに計算をすると、全身の被曝は主として外部からですから、茨城では0.7から1.6ミリシーベルトで、大人の値から仙台の子供を推定すると1.2ミリシーベルトから2.7ミリぐらいです。

ところが、甲状腺では仙台で10から30ミリシーベルトぐらいの被曝と推定しています。このデータを見て多くのお母さんがビックリされました。また福島の子供の検診で甲状腺の嚢胞が100人の子供で44%(最初は36%と発表されました)という数字を見て、二度、ビックリしたのです。

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このデータについては深川市のお医者さんが他の例と比較した分かりやすい表を示しておられます。この表を見るとこれまでの例に比較して今回の検査の結果が特別なものだったことが分かります。また、被曝した人が身を守る大切な情報を提供していただけるお医者さんに敬意を表したいと思います。

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ここではまず、なぜ全身被曝と甲状腺被曝がこんなに大きく違うのか?ということを解説したいと思います。

この表は原発が爆発した312日から半減期が8日で、ほとんど放射性ヨウ素がなくなる511日までの2ヶ月間で、計算では511日は放射性ヨウ素は200分の1になっています。

まず、全身ですが、全身の被曝は「外部被曝+内部被曝」の合計を(甲状腺÷体重)をかけますから、平均としては1ミリから2ミリぐらいの被曝になっています。これでも、かなりの被曝で、一般人の法令上の限度が1ミリですから0才から3才程度のお子さんはかなりの被曝をしていることになります。

よく平均的被曝だけを問題にする人がいますが、このような災害の時には「もっとも危険な人」に注目して対策を取らないと、「あいつは病気になっても良い」などと言うことになってしまいます。その点では全身被曝についても仙台は2.7ミリ、茨城は1.6ミリと表現するのは適切なのです。

ところで、国も専門家も知らない顔をしていますが、もともと日本には「原発が事故を起こしたらどのぐらい被曝するか、どうしてそれを抑えるか」という計画がありました。その一つに「全身と甲状腺被曝の関係」を示した図があります。

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この図は事故の前の年(平成228月)に改訂された「原子力施設等の防災対策について」という原子力安全委員会が出したものです。グラフは左の縦軸が全身被曝で、右が小児の甲状腺被曝ですから、同じ状態で約25倍近くの差があります。

つまり日本でも事故前に、事故直後には放射性ヨウ素が子供の体内に入り、被曝する事が予想されており、それは全身被曝量に対してきわめて大きな値であることが分かっていたということです。

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なぜ、このような事が起こるのかというと、子供の場合、外で遊んだり、土まみれになったりしますので、一般的に被曝量は大きくなります。また地面に近いのでいったん地面に落ちた放射性ヨウ素を再び数個問いもなります。

さらに体の中に入ったヨウ素は甲状腺にいきますが、甲状腺はとても小さな器官なので、被曝量が大きくなります。シーベルトという被曝単位はかなり複雑で、まずグレイ(単位重量あたりの放射線による受容エネルギー(J/kg)に放射線の種類と生物学的に影響を加味して計算したものです。

その器官にどのぐらいの打撃を与えるかという指標ですから、体全体より、放射線ヨウ素が蓄積する甲状腺などが高くなる(打撃を受けやすい)ということです。

もう一つ、最後につけておきたいのが、被曝計算の論文です。この論文は、さまざまな放射線源から受ける人間の被曝量と健康に対する影響(シーベルト)を計算するためのものです。計算のスキーム、具体的な計算手法、そして各臓器ごとの係数などが事細かに示されています。

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この表は臓器ごとの係数のもので、これまでの膨大な動物実験や人間の被曝などを参考にして専門家が一つ一つ決めていきます。多くの相矛盾する論文などを検討し、詳細に議論して決めたのが「11ミリ」なのです。

事故が起こったら、「11ミリの法令の規定」とは異なる論文などを持ち出して、ほとんど放射線について知らない人、時には文科系の人でこのような計算ができない人まで登場して「大丈夫」という大合唱をしていますが、もちろん法令で定められていく数値には専門家の詳細な研究が元になっています。

今でも原発が再開されていますし、また今後は増えるかも知れません。次の爆発に対して、私たちは防御の準備をしておかなければなりませんが、それには、甲状腺被曝についてのアメリカ軍の計算が役に立ちます。

一にも二にも、「初期の被曝、体内被曝を防ぐ」ということがいかに重要かが分かります。事故直後は、子供を外に出さないこと、マスクをさせること、土やホコリを吸わないようにすること、運動などを控えることが大切です。

まずは遠くに逃げることが第一ですので、逃げる準備もしておかなければなりません。政府は原発の再開だけに熱意があり爆発したときの避難などについてまったく関心が無いようです。

(平成24930日)

(子供の被爆に関するデータの使用について、注意がありましたので、データを削りました)