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(かつては年齢+90が適正な血圧と言われました。でも、今は基準が変わり「高い」というのは血圧が気になる年齢で、働き盛りの人で130以上のこと言います。本当に131は薬を飲まなければならないほどの高血圧症なのでしょうか?)

私がこのブログで、タバコ、コレステロール、そして今回のように血圧などを書くと、「なにをそんなにムキになっているんですか?」と訝る方もおられますが、私は地震予知にしても、このような健康問題にしてもこだわったり、ムキになったりすることはありません。

ただ、地震では東海地方に先に地震が来ることが「分かっていない」のに、あたかも「東海地震が来る」と言って、阪神淡路、東北の大震災の犠牲者を出しました。

地球温暖化もそうですが、科学的な衣を着て、実は狙いが別にあるという場合、その結果として、今回の原発事故のように甚大な被害が起こることがあります。それでも中部電力課長は「死者がでていないのだから、あれは事故とは言えない」と言いました。

こんな考えですと、「発がん物質を売ってなにが悪い。すぐガンで死ぬわけではないのに」とか「アスベストを使って何が悪い。20年ぐらい経たないと死なない」という理屈になり、社会がムチャクチャになってしまいます。電量会社の幹部が「反社会的」であるというのは問題です。

前回の人生講座で説明したコレステロールでもそうです。体内で70%も作られ、必須のものなのに「悪玉」などと批判し、その実は薬の売り上げのことだったというのでは残念です。事実、コレステロールを抑制して、死亡率があがり、飛び降り自殺が増えているのですから、死の商人でもあります。

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さて、今回は「血圧」を取り上げますが、これも単にネットで勉強してというのではなく、少なくとも専門のお医者さんごはお話して書いています。

血圧が高すぎる(180以上)のが問題であることは言うまでもありません。でも現在の指導血圧(130ミリ)は年配者にとって健康を害するほどの「低い血圧」なのです。血圧は「低い方が良い」のではなく、「適度な血圧が望ましい」ものだからです。

なぜ「血圧」というのがあるかというと、体全体に血を流すので、そのために「ポンプの圧力」がいるからです。何しろ体の隅々まで、毛細管まで血を流すのですから、圧力がなければ流れません。それでも人間はまだ低い方で、キリンや恐竜などの大型動物ですとかなり高い血圧でないと頭まで血液が届きません。人間も、血圧が低くなると問題が起きます。

そうかといって圧力が高すぎると地を運ぶホース(血管)が破れてしまいます。だから、どうしても「適当な圧力」が必要となります。適当な圧力とは、(「血圧が高いとかかる病気」+「血圧が低いとかかる病気」)の合計を減らすことで、片方だけを減らしてもダメです。

血圧が高くなると出血性の病気(脳出血など)になり、血圧が低くなると虚血性の病気(脳梗塞など)になります。脳出血は病気で、脳梗塞は病気ではないなどということはありませんから、「適正な血圧」が必要です。

まず第一に知ることは、人間には血圧を正常に保つ機能があり、その機能がダメになるのが「病気」であるということです。人は病気になると薬で血圧を上げたり、下げたりする必要がありますが、正常なら体が判断して「この血圧が適切だ」としている場合は薬で調整する必要はありません。

コレステロールや痛風の原因になる尿酸なども同じですが、体内で70%から80%も合成されるものは、体が病気(適正な量をコントロールできなくなった時)だけに治療が必要です。つまり、正しい方法は「血圧が異常に高くなった」と言うときには「血圧を下げる薬」を使うのではなく、「血圧をコントロールできなくなった体を直す」というのが本来の治療です。

かつて「肺炎にかかったらペニシリン」という時代がありました。これは肺炎の原因となる細菌が抗生物質ペニシリンの注射を打つことによって細胞壁を作ることができなくなり、その結果、増殖が抑えられて肺炎が治るということでした。これでずいぶんの人の命が助かりました。

これとは逆にインフルエンザにかかって熱がでたという場合は、ウィルスの治療薬がなかったので、「とりあえず胃腸の薬を出しますから、ゆっくり寝て栄養のあるものを食べてください」ということになります。つまり、治療薬がなければとりあえずの苦痛を除いたり、回復を早める薬を出すのであり、解熱剤は当座の苦痛を和らげたりする役割で、本当の治療とは言えません。

「血圧を正常に保つ」という薬はまだ普及の段階にないので、おどろくべきことに「血圧が正常かどうかを診察せずに決めて、決めた値よりおおきければ降下剤を投与する」という馬鹿らしいことをやっているのです。「日本国民はまったく個性や個人差がないので、血圧の正常値を一律に決める」と厚労省が決め、今は130ミリ(65才以下)になっているという野蛮な状態です。

そして医師は労働者のように患者さんが来られると血圧を測り、130以上の場合、その人にとって病気でもなんでもないのに、降圧剤を出すということになります。そしてなんでもお役人を信じるという人が「俺は130以上なのに医師は降下剤を出さなかった。医療過誤だ」というので、病院は面倒でもあり、薬価もあるのでお薬を出すという具合です。

なにしろ、国民の1000万人以上が病院で「高血圧の病気」と言われ、推定で5000万人が該当するとも言われています。国民の約半分が「病気」になるという奇妙な基準なのです。

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それでは、どの程度が「適度な血圧」なのでしょうか? 日本でも有数の優れた医師にお話をお伺いすると、「その人個人や年齢によって違いますので、一概に言えませんが、140150ミリぐらいは問題がない場合が多く、強いて数字で言えば180を超えるようなら注意が必要でしょう。むしろ下の血圧も注意しなければなりません」と言われる。

また病気には血圧が高いと血管が破裂するという場合と、血圧が低いと血管が詰まるという場合があり、高ければ危険、低ければ危険ということはなく、「その人にとって適正な血圧が良い」という当たり前のことなのです。

また、今の基準のように130以上は高血圧とすると、50才以上の日本人の半分が「病気」ということになります。人間の体は自らが調整する力を持っており、必要も無いのに降圧剤を服用することは勧められることではありません。

端的に言うと、今の「高血圧騒動」は「国民の健康」を犠牲にして「薬の販売」を優先するというお金中心の社会から出てきたものです。ちなみに食塩を摂る量では全国で上位である長野県の男性の平均寿命が日本の都道府県の中でもっとも長いということが、「高血圧騒動」、「減塩騒動」の間違いを良く表しています。

(平成2491日)