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東電が事故後の社内の会議の録音、電話記録などの情報を、かなりの制限をして公開しました。期間が短く、時々カット、2次使用はダメなど制約がついていますが、それでも一応の進展です。不完全な情報からでもさまざまな問題点が出るでしょう。

問題点が出ることをいやがっている節もありますが、もし原発を続けようとするなら、情報を公開して国民の信頼を回復すること、原因を追及したり事後に起こったことの問題点を研究することなどはどうしても必要で、東電が我が身の保身と原発の再開、もしくは日本を愛しているかなどが試されます。

また、このような不完全な公開をした理由として「私物だから」ということですが、東電は独占企業で、原発に多額の補助金を出してもらっていて、電気代も独占ですから、決して「私企業」とは言えないのです。経営は東電がするとしても、日常的な活動は公的な活動ということができます。

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東電と似ているのがNHKなどの報道機関です.報道機関というのは私企業のようですが、独占的な情報取得手段(多くの記者、カメラマン、記者クラブなどの独占など)をもっていますので、これも半官半民です。

つまり多くの外国で現実にそうなっているように、「経営と報道」はべつものです.経営というのは、ある新聞社とかテレビ局が良い報道な楽しみを供給していると判断して、その経営を担当するということですから、経営と報道や編集は独立して運営されるということになります。

専門性を尊重する国は、このような経営が広く普及していて、「経営と技術」、「経営と報道」、「経営と医療」、「経営と教育」なども独立しています。

事故直後、NHKの記者は「被曝が危険だから」という理由で福島から引き上げ(経営)、福島県民には「被曝は健康に影響がない」と報道(編集)してきました。まさか報道が福島から自主的に引き上げたいというはずもありませんから、経営と報道で激しい戦いがあったはずです。

この間、NHKでなにが議論されたのか、報道機関ですから、東電よりさらに踏みこんだ情報公開を求めます。事故の原因追及も大切ですが、今後の事故などを考えると、今回の事故ではマスコミの情報秘匿がもっとも大きいと思います。

また30キロ定点観測で1号機、3号機、4号機の爆発映像を取ったのに、その公開を制限した理由と経緯も明らかにするべきです。今回の原発事故では、今に至ってもストロンチウム90の測定値が出なかったり、福島の汚染が報告されなかったり、食材の汚染の公開が遅れたり、まるで発展途上国の情報公開のようでした。

日本は立派な国ですから、国民の知る権利をさらに大きく認める事、このことに司法も含めてより厳しく考えるべきだと思います。

(平成2486日)