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福島原発事故が起こった2011年の夏に続いて、今年も夏になると電力会社の経営の失敗(原発問題)の尻ぬぐいを国民に強いている。このブログに書いたように、日本はもともと電気生産量を3億4000万キロワット程度にしなければならないのに、電力会社がサボって1億8000万キロワットしか生産していなかったことに起因している。

これから毎年、夏になると電力会社の経営失敗の尻ぬぐいをさせられるのはかなわない。政府は完全に電力側に立っていて国民には電力の召使いの役割を強いている。NHKは電力会社側にたって「なぜ、節電しなければならないのか?」にはいっさい触れず、「節電しない国民は非国民だ」というような勢いで節電を宣伝している.

節電して国民の活動量を減らすならまずNHKが「節NHK」、「断NHK」を実施して欲しい。それなら誤報が少なくなるし、受信料が減るので国民は大喜びだ。

ところで、原子力を後退させるためには、火力発電所の復旧、増設、自家発電の強化を最優先しなければならない。私は石油、石炭、天然ガスは当面、無くならないとの見解だが、もし500年後になくなるという考えを採用しても、原発が使えなくなった今、それに変わるのは技術が確立している石油石炭天然ガスが妥当であるのは、異論もないだろう。

しかし、現実には「電気が足りないから毎年我慢することになる」という脅しのもとで「時間のかかる自然エネルギーに税金を投入するか、原発を再開するか」という「悪い方向」だけを選択させようとしている。それが先日、中部電力課長の驚くべき発言になった「エネルギーの選択肢」の議論である。

資源が豊富にあり、世界が例外なく火力発電の増強に進んでいる中、そのデータを報道せずに日本だけを別の方向に進ませようとしている.私も講演していると、多くの国民がこれまでの報道によって「資源はなくなる」と錯覚していることがよくわかる.

また、「当面は資源があるのではないか」と考えている人も、「化石燃料では電気代が高くなるから」と心配している。原子力発電の売上高は1年に5兆円、それに税金5000億円を投入していた。これを当面、電力会社は原発の運転を止め、経営失敗の責任をとって新規火力発電については収益を期待しないとする。

その他の火力発電での収益は3分の2をしめるから、電力会社の経営責任を「3分の1の収益減少」とすることを意味する.これほど日本を混乱させたのだから納得性があるだろう。

原発の廃炉、核廃棄物の処理、格納にこれまで原子力の開発などに使用していた税金5000億円を投じ、青森の再処理工場の運転を停止すれば、原発の停止に関して余分な出費はない.青森の再処理工場は原爆を作るためで、放射性物質で汚染されたものは2.6倍になるのだから、処理をしない方が格納する使用済み核燃料は減少する.

仮に国民が核兵器の保持を希望した場合、軍事費で支出するべきであり、電力費を核兵器に流用するのは、どのぐらいの経費が国防にかかっているか、歯止めができるかなどで困難を生じるからだ。

原発の処理を現在の税金の範囲でできるので、コスト面での火力発電の増設は「通常の電力会社の増設計画」でできる。つまり電気代のアップはないということだ。

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すでに20114月の東京電力の計画停電の時には約2000万キロワットの電力生産量の隠蔽があった。2012年夏の関西電力の電力生産計画にもインチキが見つかっている.なんとしても原発を動かしたい電力が全力で偽装している.

そのために「電気が足りない」と国民を恐喝しているのが現状である.熱中症で倒れた人の補償は電力会社とNHKがしなければならない。というのは、事故直後から火力発電の増設に努力していれば、来年ぐらいから電力不足はなくなるからである.

どの製造業も、「供給責任」というものがある。国民が欲しい物は計画的に、事故を起こさないように工場を動かして、供給しなければならない。地域独占の電力会社はさらに競争がないのだから、現在の18000万キロワットではなく、34000万キロワットまで増設するのが当面の急務だ.

日本政府は、お金をもらっているからかどうかは不明だが、本来、国民に向かって「電気は充分に供給できますから、快適な夏を過ごしてください」と呼び掛け、その一方で電力会社には「はやく火力を作れ.供給責任を果たせないなら地方独占権を剥奪する」と言うのが筋だ。政府は国民を向いていない.

このままでは国民は「電力会社の故意の怠惰によって、毎年脅迫を受ける」という状態になるので、公正取引委員会は警告を発し、検察は犯罪になるかどうかを検討すべきである.

(平成24726日)