中国は激しい日本批判を続けています。中国は独立国ですから、日本を非難してもかまいませんが、その場合は日本も中国に友好的な関係を持てないと考えられます。しかし世界的にも立派な北京空港を日本の援助(ODA)でやっているように、片方では中国は日本の支援を受け入れています。
日本の伝統的な道徳では、相手を非難したら相手との関係はうまくいかないので、非難するような相手なら付き合わない、付き合うなら失礼なことは言わないというのが「日本の道徳」です。
しかし、中国では毎日のようにかつて日本軍が中国でしたとされる(本当はしていませんが)悪行をテレビで全国に向けて宣伝していますし、南京事件のように史実と違うことを公的に主張しています。日本人ならこれを「友好」とは呼ばないでしょう。
このように日本文化とはかなり違う中国と、
1)国交を開いておいた方がよいか?
2)貿易をする方がよいか?
3)友好関係を維持できるか?
を考えなければなりません。
先日、シアターテレビジョンで中国や経済、軍事に詳しい方と討論をした結果、おおよそ次のような結論に達しました。
1) 中国とは疎遠にしておいた方がよい、
2)貿易も縮小した方が良い、
3)中国の文化を理解しておいた方が良い。
また、「中国」という呼び名で呼べるところは、かつての中原で、満州(中国東北部)、モンゴル(内モンゴルを含む)、新疆ウィグル、チベット、さらにその少し内側は「中国」と呼ぶべきかは難しい、という結論に達しました。
だから「中国は大きい」といっても多くの国をまとめた連邦国家のようなもので、日本人が頭に描く国家とは相当ちがいます。日本人が中国と付き合うためには中国とその文化を正確に把握し、過去の経験も活かさなければなりません。つまり、
1) 中国人は日本人のように「お人好し」ではない、
2)それは中国が「日本のような国」ではなく、国民は国に守られてこなかったのだから仕方が無い、
3)むしろ日本人が恵まれすぎていてお人好しになた、
4)だから中国人は日本人から見ると「ウソをつく」と感じたり、「だます」、「利害関係が無くなると知らん顔」と思うけれど、違う文化だから仕方が無い、
5)中国には「恩」という概念はないし、そんなことを言っていたら生きていけない時代が続いていた、
6)中国の「国」は「北京」などの「都市」であり、城壁で囲まれている。それに対して日本は国全体が一つの「国」であり、日本人は城壁に囲まれた土地に住んだこともなく、戦に負けたら奴隷になることもなかった、
7)南京で中国人が30万人殺害されたという事実はない。「無い」ことでもそれが自分に有利なら「ある」というのは中国文化だから、日本流に「ある」と解釈してはいけない、
8)日本流に考えれば、「中国の富裕層」というのは人口の1%で、中国の富の40%を持っているといわれるので、それは「格差が広すぎる」ので、富裕層を相手にしたビジネスに期待しない方がよい。
この中でももっとも大切なのは、「中国4000年の歴史」とか「中国の人口は14億人」などというのは「中国流の表現」であって、日本流なら「中国1800年の歴史」であり、「中国の人口は約2億人」などである。
中国流の南京事件を日本流に解釈することは、今後の両国にとって良いことではないと考えられる。「友好関係を築く」というのはあくまで相手が友好を望んでいるときなので、無理して友好関係を作らず、少し離れておいた方がよい。
(平成24年7月6日)