1990年頃、日本ではバブルがはじけ、世界的にも天安門事件、東ドイツの崩壊など大きな事件が続き、世界は未来の不安に怯えました。

その結果、銀行倒産、自殺の急増、架空の環境問題、年金崩壊などが出現し、日本社会は不安の余り、あらぬ方向に進んで行きました。本来なら明るい夢を持って張り切って過ごすはずの若い人も、識者とNHKが作り出した「もうダメだ」の大合唱に惑わされて、この20年を無意味に過ごしてきたように思えます。

人間は進歩するのか?科学の発展は何をもたらすのか? 人間の理性と感性を使って未来を見てみたいと思います。

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今の日本でも「明るくやろう」と国民が決意して、誠意のある政治家を選ぶことができたら、すぐ「豊かで楽しい生活」を送ることができます。あれほど、不景気、復興、原発、年金などと悩んでいたことがウソのように無くなります。

それは日本を覆っているこれらの問題は「人間によって架空に作り上げられたもの」だからです。日本の現在の供給力(日本人が欲しいと思う物やサービスを生み出す力)は、日本人が欲しいと思うものより2割程度大きいのです。

これを過剰供給力と言いますが、住宅は130万戸は供給できるのに90万戸、自動車、家電製品などの大型消費財の供給力も充分ですし、日用品からタクシー、飲食、ゴルフに至るまで「楽しもうと思ったらいくらでもどうぞ」という状態です.

それにひとたび日本人が「人生を楽しもう!」と決意をすれば会社はそれに応じて増産しますから、本当の意味での供給力はさらに上がり、銀行は国債などを買わなくても企業が増産に必要なおかけを借りに来ますから、銀行預金の利子は増え、企業の所得税は高くなって赤字国債は減り、すべては順調に回ります.

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「そんなのウソだ」と思う人が多いのは間違いありませんが、供給力があり、技術力が高く、勤勉な国民で、国際収支が大きな黒字、さらに加えてその国の通貨が強ければ、「やりたいことは何でもできる」という状態なのです.

それではなぜ、不景気に苦しみ、将来に不安を持っているのでしょうか? それは国の指導的立場にある政府、官僚、学者、メディア、文化人などが自分たちだけの利益(利権)を追求して、日本国民をあらぬ幻想の中に追い込んだからです.

まず、1)二つの不安を取り除くこと、2)人間の活動についての正しい認識を取り戻すこと、3)科学を中心として未来はどうなるのかについての正しい認識、です。このシリーズでは、まず現代の日本を覆う二つの不安の内容を説明し、それが幻想であることを示します.そして、日本人の活動がどのようなものかその本質を明らかにし、もし私たちが夢のある豊かな社会に住みたいなら何をしなければならないのかを考えます.

 

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(平成2472日)