誤って都会の中で名利の客となった(自分はしばらくの間、間違って大都会で生活をし、名誉やお金にまみれてしまった)・・・明治6年、郷里に帰った西郷隆盛47才の詩の一部です。

 

自然は美しく、それを汚すのは人間の心だ
誤って華やかさの中で名誉とお金に心を奪われる
でも本当に人生を知っているものは自然の中で我を取り戻す。

 

田舎では人は心を失わずにすむけれど、人が空間を作り出す都市は醜悪だ
これだけ豊かな現代日本が人の心を踏みにじりながら進むのは
もっとも下賤な大都市がものごとを決定しているからに他ならない。

 

人間は自然の中に帰ると、本来、人間がするべきことがなんであったかに思い至ります。あれほど大切だと思った収入、地位・・・そんなものは何の意味も無かったのです。

食糧自給率1%、工業生産もほとんどせず、人の活動のうわまえをとるだけの仕事をしている東京の人が生産をしている地域の2倍の所得を得ている・・・この奇妙な状態で生み出される奇妙な現象、それが原発事故、瓦礫の搬出、原発の再開、年金不祥事、年金崩壊、赤字国債、エコポイント、そして地球温暖化対策などです。

 

西郷隆盛が鹿児島に帰った直後に作ったこの詩は今に至っても輝かしい光を放っています。

 

(平成2458日 鹿児島にて)