2005年に「家庭や夫婦」に関する国際的な調査が行われています。質問は「夫婦生活の中でなにがもっとも大切ですか?」というものです。これに対して、国と第一位、第二位、第三位と並べると次の通りになります。

 


日本    1.誠実、2.収入、3.子供の健康と成長
フランス  1.誠実、2.性的魅力、3.共通の趣味

第一位の「誠実」だけは同じですが、第二位からはずいぶん違いますね。日本人は愛して結婚するのですが、結婚しておよそ3年経つと、「お互いの愛より、家庭」に切り替わります。「3年目の浮気」というのは、日本では3年間はお互いの愛情で生活ができますが、3年のうちに「愛する夫婦」から「家庭の連れ合い」に変わる必要があるのに、それに気づかない人がいるからだそうです。

つまり3年間のつきあいのあと結婚したとすると、3年(恋人)、3年(愛する夫婦)、そしてそれから後の50年は「家庭を一緒に営む連れ合い」になるのです。それがわかっているペアーはうまくいっているようです。

これに対してフランス(概してヨーロッパ、アメリカではその傾向が強いのですが)は、「個人の独立」を重んじますので、いつまでも「愛する夫婦」の関係で家庭を維持することができます。そのためには、「性的魅力」や「共通の趣味」が大切ですし、ちょっと言いにくいのですが、セックスの回数も日本とはかなり違います(フランスは世界平均より少し多く、日本は世界平均より2分の1程度とされています)。

先日のブログにも書きましたが、このことは日本では「結婚すると家庭人となる」と表現するのが適切で、かつては「結婚して所帯を持つ」と言いました。それに対して個人を一つの単位とするヨーロッパでは「結婚して夫婦になる」ということで、あくまでも2人が単位になっています。

これは子供の養育にも違いを及ぼし、日本では子供が所帯を持つまでは親が面倒を見るというのに対して、ヨーロッパやアメリカでは「18歳になったら子供は家庭から出て行かなければならない。家庭は夫婦のものだから」というのとの違いとなります。

どちらが良いかというのは多くの人の希望で決まりますが、日本人は日本文化の中で生きているので、どちらかというと「自分の生まれ育った家庭は、結婚するまではその一員である。さらに、結婚して年老いて両親がいなくなっても精神的な実家として残っている」という感じを持っています。

男女が互いに独立していて、2人が同居するというヨーロッパ型では「男女平等」が問題となりますが、男女が一心同体で家庭の一員となるという日本型では「男女平等」という概念はなく「お互いに幸福か」という子供を含めたその家庭の構成員の「幸福平等」ということではないかと思います。

卑弥呼の時代は女性の幸福の方が上、戦国時代(奈良時代から1945年まで)は男性の幸福の方が上、そして今は新しい時代に向かっていると言うことができるかも知れませんが、それもあまりに単純な区分のように感じられます。

戦国時代は「戦争で死ぬのは男」と決まっていましたが、「死ぬ方が幸福」というのもかなり乱暴な議論です。また「戦争は男がするもの」と役割分担を固定するのもやや疑問です。「男だから戦争で死ぬのは当然だ」とか「女だから家事をするのは当たり前」というのではなく、またお互いに自分が得をすればというのでもなく、さらに「こういう人もいる」という特殊な例を出すことなく、平均的な男女が、それぞれの人生の目標を達して幸福に生きることができる無理のない社会を考えたいと思っています。

たとえば、男女の雇用が均等化し、賃金の同じになったとしても、子供を保育所にあずけ、その子供が病気をしたらお母さんが仕事をほうり出して迎えに行かなければならないというのでは、不満がたまり、とうてい幸福な人生を送ることはできません。

建前論ではなく、真に日本の男女、日本の家庭、そして人生の幸福を親身になって考えて、よりよい男女関係、夫婦関係を、とげとげしい議論をせずに、世界に先駆けて日本人の夫婦、家庭が幸福に笑い声が絶えないように作っていきたいものだと思います。

このような記事をこの頃書いているのは、女性の方で「新しい夫婦」、「新しい家庭生活」、「仕事と家庭の両立」、「子供が保育園で熱を出したときにどちらが連れてくるか」などの日常的なことで苦しんでいる方が多いからです。

私の感想では、それは「ヨーロッパのやり方を、日本と違うのにあまり議論せずに輸入し、そのシステムの中で苦しんでいる」というように見えます。これは「年金問題」や「原発の爆発」とも類似していまして、日本の「地形、風土、文化」などを考えずに、議論せずに直輸入してくることに問題があると思うからです。

天下り先を作るとか、税金をばらまけるというような動機で、不完全な制度を持ち込み、その中で「子供を持つお母さん」や「これから就職しようとしている若者」が被害を受けていると思うのです。

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(平成2448()