福島の定時降下物(セシウムがそらから降ってくる量)が減りません。減らないどころか少し増えてきています。このデータは文科省の月別集計をしたデータですが、毎日の積算値と少し違うので、その点、心配ですが、論旨には影響がないので、公開されているデータのまま掲載しました。
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この表でわかるように、3月の事故以来、セシウムの降下物は徐々に減ってきて、2011年の10月、11月ごろにはこのまま無くなっていくと思われましたが、意外にも12月から急増し、今では昨年の6月より降下量が多いという異常な状態が続いています。

これについて、政府も県も「大丈夫」を繰り返していますし、マスコミも報道していませんが、これはなかなか危険な状態です。まず第一に、その値が結構大きいということです。もし、この文部省の集計通り(少し多めのように思う)とすると、一日で数100ベクレルが降下してますので、葉物野菜はかなり汚れて、新基準の1キロ100ベクレルを上回る野菜がでますし、すでに実質的な法律基準である1キロ40ベクレルを超えているでしょう。春野菜は要注意です。

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また、この図は2度目ですが、今の時期(1年も経って)にこのぐらいのセシウムが降ってくるということになると、「繰り返し被曝」になるということです。201145月の被曝もかなりでしたが、もしこのデータが正しいと、約30年間、この降下物で被曝することになります。

 

そうすると、福島はもちろんのこと、東京(データは新宿)でも事故直後の福島の被曝より多い被曝を受けることになります。将来の問題ですから、私たちの子供が被害を受けることになりますから、原発を運転した私たちの世代でけりをつけておく必要があります。

それなのに、瓦礫、花火、薪ストーブ、中古車・・・なんでもそうですが、汚染されたもの、あるいは長期的に汚染原因となるものが国内に拡散しています。瓦礫の運搬に反対している人を「非国民!」と呼ぶ人がいますが、それは自由としてもせめてこのような再飛散が起こらないことを「科学的」に証明して欲しいものです。一度限り、10年ぐらいのスパンで「私たちだけは大丈夫。子供は知らない」というのでは、私にとってはそちらの方が日本人ではないような気がします。

これまで私が「政府は30年から100年にわたる日本人の被曝量を推定し、それを元に基本政策を立てないと、日本に住めなくなる可能性もある」と言ってきたことがこれに相当します。

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月から始まった再飛散が何を原因としているのか、真剣に検討しなければなりません。環境省は(もとから国民の健康など考えていませんが)、相変わらず日本国土を汚染させるのに熱心ですが、今こそ識者が立ち上がり、環境省に被曝を止めるように言うべきでしょう。

それにしても、このようなブログを書くたびに、「どうしてだろう?」とつい思ってしまいます。福島原発事故が起こる前まで、NHKはどうかわかりませんが、日本のマスコミの報道関係者の多くが「被曝は怖い。放射性物質をまき散らすなどとんでもない」と糾弾していました。それも1年や2年ではなく、ここ30年はそうでした。

被曝の限度が11ミリでも、その100分の1でも「100分の1だから大丈夫だなどととんでもない。被曝は少しでも避けるべきだ!」と言っていたのに、なぜ、今、このようにセシウムが再飛散しているのに、それを報道しないのか、本当に不思議です。

1945
815日、終戦を迎えた瞬間、日本人は「鬼畜米英」から一日にして「親米」に変わったと言われます。そのときの日本人の心境はどんなものだったのでしょうか? でも、そのときには戦争中と戦争が終わったという変化がありましたが、今回は「被曝は危険か」という普遍的なことなので、私は本当にわからなくなります。どなたか、変身した方が心の内を吐露してくれると良いのですが。


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(平成2448日)