食材の新基準が出ました。基本的には「食材の内部被曝だけで11ミリ」ですから、まだ食品安全委員会も腰が据わっていませんが、それでも、今までの15ミリよりもずっと改善されました。

 

結論から言えば、「あまり神経質になって食材選びをしなくてもお子さんを守ることができるようになった」と言うことです。そこで「あまり神経質」ということの程度問題をはっきりさせたいと思います。

 

まず、第一原則は「いろいろなものを買い、いろいろなものを食べる、もしくは食べさせる」ということです。ここでいう「いろいろなもの」というのは、外国産の小麦を使ったパン(ほとんどのパン)、西日本のお米、大手以外の牛乳、遠くでとれた魚、これまで普通にはあまり手を出さなかった食材、オーストラリアの牛肉などを指しています。

 

スーパーに行って今日の食材を買うときに、目の前にある食材のうち、20ヶに1ヶが「汚染されている」と思ってください。あとの19ヶは食べても大丈夫ということです。そして、その20ヶのうち、1つだけが100ベクレルということになります(半年前はもっと危険だったが、現在、つまり4月からの状態です)。でも問題なのはその20ヶのうちの1つがどれかわからないということです。

 

そこで、「いろいろなもの」を20ヶ買うと、その中の1つが汚れていると考えます。実際に運のよいときにはどれも汚染されていない場合もあるのですが、子供を安全に育てるときには最悪でも大丈夫ということが大切だからです。だから「運悪く汚染されたものを買ってしまう」と言う場合を考えています。「いろいろ買う」ということはそのうちの1つが汚染されていますから、100ベクレルを20で割って平均として5ベクレルになります。これは1年に0.05ミリシーベルトですから、他のものとの「足し算」をしても大丈夫ということになります。

 

反対に「2種類だけの食材を買う」、つまり「いろいろ買わずに1つか2つにする」ということになると、1ヶが100ベクレルだったり、または悪徳業者がいて500ベクレルの食材を買ってしまうと、50ベクレル、あるいは250ベクレルの食材を子供に食べさせることになってしまいます。

 

1日に20種類を食べる必要はありません。たとえば1日に5種類で、4日で20種類なら、そのうち一つだけが汚染されていますから、普通なら5ベクレル以下、悪徳業者にぶつかっても25ベクレルですから、子供に許される40ベクレルより下回ります。

 

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現在、注意をする食材は「外食の米、露地栽培のキノコ、神奈川から宮城までの太平洋側の都県の川魚、神奈川から北海道までの太平洋側の魚」だけです。これらも含んでいても「いろいろの食材を選ぶ」という方法をとれば子供にも安全です。ただ、空間線量が0.11マイクロシーベルト(1時間)を超えるところにお住みだったり、昨年の3月、4月にあまり注意をしないで子供を被曝させた場合、「外食の米、露地栽培のキノコ、神奈川から宮城までの太平洋側の都県の川魚、神奈川から北海道までの太平洋側の魚」は買わない方がよいでしょう。

 

つまり、あまり被曝せず、東京ぐらいの場所に住んでいる人は「いろいろ買う」ことだけできれば「食材は何を買ってもよい」と言うことです。その分、気が楽になると思います。この際、これまで手を出さなかった食材などや外国産なども取り入れてください。

 

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ところで、水と牛乳ですが、これがかなりやっかいです。普通に考えると、水も牛乳も大丈夫です。私もはっきりした情報を持っていないのですが、牛乳は昨年の4月、5月は測定するとヨウ素が多い可能性があったので、大手の牛乳メーカーは本当に測定をしなかったようです。測定値を出すとそれが会社の中にあって内部告発されるから、測定しないで出荷したということを聞きました。確かではありません。ここは牛乳メーカーが子供の健康に関することでしたから、全データを公表するか、あるいは測定していなかったことを発表する必要があります。

 

今回の規制では子供の場合の規制を考えましたので、大丈夫になりましたが、それでもあまり大手の牛乳だけにせずに、地方の牛乳を手に入れられればその方がよく、ここでも「いろいろ」ができればやってください。

 

水は水道水が安全という状態が続いています。井戸水は測定していないことが多く、またいつどこで突然というのがありますから、それに注意してください。

 

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地域の問題では、福島県とその周辺、岩手県から神奈川まで、それ以外の3つの地域に分けて考え、それぞれの線量率をよく見てください。427日の夜9時から竹書房でニコニコ生放送をしますが、そのときに安い線量計をご紹介する予定です。

 

これから長丁場なので、線量計で測り、食材はあまりストレスにならないように「いろいろ」方式で食べ、少しの間、外食を避けるという生活で大丈夫です。福島の人はセシウムの再飛散がまだ続いていますので、さらに注意をする必要があります。

 

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(平成2442日)