2号機の水位が60センチしかなかったということで、ニュースになっていますが、格別驚くことではありません.

 

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簡単な図を書きましたが、燃料がメルトしていることが判ったのが昨年の3月末で、それを政府と東電が認めたのが5月中旬です.マスコミでは5月中旬に判ったことになっていますが、3月末にはほとんどの技術系の人が「燃料は破壊されているかメルトして{下}に落ちている」と判断していました。

 

この{下}とはどこかというと、燃料がメルトすると2500℃になります。鉄の融点は1700℃ですから、メルトした燃料(小さな赤い○)がかなりの大きさがあれば、融点を超えて鉄を溶かし、鉄板を破って原子炉容器(中央のやや太い線の○)を突き破って、格納容器(その周りの少し細い線の○)も破り、下のコンクリート面に落ちるでしょう.

 

融けた燃料が膨大でなければ、コンクリートの一部を溶かしてそこに止まるというのが普通の考えです.つまり、原子炉容器も格納容器も{下}が抜けている可能性が高く、抜けているとしたら下の部分ですから、そこから3メートルもあるところの横に穴が空く理由はありません。

 

昨日、テレビを見ていたら「原子炉に詳しい専門家」という人が、「3メートルぐらいはあるとおもったが60センチとは!」と驚いて見せていましたが、これが私のいう「空気的事実」(みんながこう思っているだろう、もしくは政府や公的機関が言ったことが事実とする)にもとづいて視聴者が納得しやすいように言うという一つの例でもあります。

 

従って、2号機には継続的に注水していて、100℃以上ではないので蒸発もしていないのに水が無くなっていたということは、3メートルではなく底の方まで水が無いのが普通なのです.温度は40℃から50℃のようですが、このことから格納容器に引っかかっている燃料の量はそれほど多いとは思えません.

 

いずれにしても、あまり心配は無いと思います.

 

(平成24327日)