少し考えがあって、日本のエネルギー政策をまとめてみました。音声が主体ですみませんが、以下の内容です。日本のエネルギー政策は世界でも特殊で、その特殊性を全体として整理してみました。

 

1)  世界の生産量の10%を担う大工業国なのに石油、石炭、ウランなどのエネルギー資源がほとんど無い。

 

2)  日本の大地には石灰石、砂利などの資源が豊富で、水は世界でもまれに見るほど上質なものが大量に得られる。

 

3)  「温帯の大きな島国」としては南半球を除いて日本しかなく、気温の変動が少なく、太陽の光もほどほど(凍死や熱波が少ない)である。周期的な台風、中央の山脈による降雪などの季節的なエネルギー関係の特徴が大きい。

 

4)  200海里経済水域が広く、陸と海の合計では世界の6番目の大きさの大国である。

 

5)  人口密度がきわめて高く(北欧の20分の1)、自然エネルギーを利用することはできない環境にある。

 

6)  石油・石炭・ウランなどの工業的エネルギー資源と食料輸入は世界一で海上輸送の15%をしめる。その一方で海上輸送の安全性の確保に欠かせない海軍を持っていない。

 

7)  温暖化(CO2で温暖化すると錯覚している)、省エネ(石油、石炭は枯渇すると錯覚している)、節電(アメリカ人の2分の1しか使っていないのに、さらに節電しようとしている)など世界の大国が実施していない特異な政策を採用している。

 

8)  大震災・原発事故があっても円高で日本の産業は国際的に高く評価されていて、海外からのエネルギー資源の買い付け価格は低下し続けている。

 

9)  このような特殊なエネルギー・資源環境にあり、民主主義国家ではあるが、原発政策で判るように(原発の電気は使うけれど廃棄物処分場を持っていないなど)「お上が決める」という意識が強いので、エネルギー政策も右往左往する。

 

10)  その原因の一つに憲法で表現の自由(言論の自由)、学問の自由が保証され、国民が支持しているにも関わらず、まるで軍国主義国家のように「言ってはいけないこと」や「タブー」が多いので議論が煮詰まらない。

「takeda_20120301no.436-(7:05).mp3」をダウンロード

 

 

 

(平成2431日)