今回の福島原発事故は、これまでの原子力の安全についての政府と電力、それにマスコミの「不真面目さ」に原因しています。そしてそれが結局事故に繋がり、多くの人を苦しめています。

 

でも、まだ同じことが行われていて、地震も津波もなく、ほとんどが内陸にあって淡水で冷却している原発の「ストレステスト」というのを急に出してきて、それも安全審査は推進側と独立した安全委員会がやるのに、経産省の「保安院」と名前をつけた隠れ蓑でやるなど、不真面目さが目立ちます。

 

さらに、本日の朝日新聞には「原発防潮堤 整備進まず」という大見出しの記事が1面トップにでましたので、多くの方が見られたと思います。

 

 

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大新聞のトップにしては実に不見識な記事で、もともと上の写真にあるように福島原発事故は「5.7メートルの防潮堤に15メートルの津波がきて、原子炉を襲った」ということに「形式的」になっているだけで、本当は、下の写真で判るように、津波は原子炉建屋の前にあるタービン建屋(高さ37メートル、標高6メートル)で完全に止まっていて、建物の隙間からわずかに原子炉の方にいった流れと、原発の南側の防潮堤の無いところから進入した海水が原子炉の後ろから回り込んだもので浸水して爆発したのです。

 

 

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つまり、「津波で破壊した」のではなく「浸水で電源が止まり、破壊した」のですから、原因を科学的に判断すれば防潮堤を高くしても安全にならないのは小学生でも判断できることです。

 

原発の関係者は「とにかく再開する」というのではなく、今回の事故を職業倫理として深く反省し、真なる原因を突き止め、それを改善して、正直に国民に説明し、同意を得て進めないと、さらに混乱が続くでしょう。真面目にやって欲しいものです。

しかし、政府も専門家もマスコミもないも同然なのですから、私たち自身が再開の意見交換会に出て行って、「防潮堤は関係ない」ことを表明しなければならないでしょう。

 

 

 

(平成24223日)

 

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