紫式部の時代、今から1000年も前だからテレビもなければ瞬間湯沸かし器もない。冬の寒い日にはパックリと赤く口を開けたアカギレの手をさすりながら冷たい水でお椀を洗った。

 

たびたび、飢饉がきて多くの農家は家族を身売りしなければならない辛い日々が続いた。今年も凍てつく大地と格闘し、身も心もぼろぼろになった。それでも神様に感謝し、幸福な人生だった。

 

今から1000年後の日本人は私たちの生活に驚くだろう。えっ!傘がオチョコになるってなに? えっ!雨や風の中ですんでいたの?! えっ!交通事故って車同士が衝突することなの? 何でそんな車が販売されていたの?! ひどい生活だったのね!

 

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でも、1000年前も、今も、そして1000年後も私たちは幸せな人生を送ることができる。人間の幸せというのは、「こうなれば」ということはないからだ。幸せと思えば幸せ、不幸と思えば不幸。

 

人生には希望や目標がある場合もある。したいことはやまほどある。でも、幸せはこちらから望むことではなく、向こうから来るものだ。

 

私は彼女を愛する。だから明日は彼女に告白しよう。

 

「愛しているから結婚してくれ!」 3回言おう。それでもダメだったら諦めてお酒を飲みに行く。

 

幸福は求めるものではない。自分は真心だけで、向こうから幸せは来る。こなければそれが自分の幸せなのだ。

 

(平成2429日)