瓦礫の引き受けが全国で拡がっています。これまで「他の自治体のゴミを引き受けるなんてとんでもない!」と言って来た首長さんはずいぶん、豹変するものと感心してしまいます。

 

それには「ウラ」があるのですが、まずは瓦礫の引き受けを止めようとしている多くの人のご参考にと思い、具体的な話から入ります。

 

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長い間、日本人を被曝から守ってきたこと・・・日本は原爆を落とされた国として被曝に対してしっかりした考え方でやってきましたが・・・、それは「法律を守る」ということです。人間に対しては11ミリシーベルトという厳格な規則があります。

 

まず、第一に、被曝に関して法律があり、瓦礫を引き受ける自治体は「法律を守る」ということを宣言しなければならないということです。自治体の多くは今まで「被曝の法律なんかあるの?」という態度でしたから、まずそれを確認することが大切です。

 

ここで、言い訳がでてきますので、それに対抗する必要があります。それは「日本にはもともと原発の事故を想定した法律などない」というものです。でも、これは間違っています。原発の事故に関する法律とその考え方は次の様になっています。

 

1) 原発の事故が起こっても起こらなくても、日本人の被曝と健康の関係は変わらない(これは、被曝に関するすべての法律が同じ基準値であることでも判ります。つまり日本国内の法律で「この法律では1キロ100ベクレル、この法律では1キロ1000ベクレル」などとなっていると混乱するという理由と、もともと被曝の発生源などが違っても日本人に与える影響は同じだからです。)

 

2) 従って、どの法律を使っても同じ結論になる(悪意で誤魔化さなければ)。

 

3) 原発を運転している限り、事故の可能性はあり、日本政府はそれほど無責任ではないので、事故の想定をしている。それによると希な事故(およそ1万年に1度)の場合は15ミリまで被曝限度を上げることができる。およそ10万年に一度程度の事故の時には、15ミリからあまり離れない被曝量を設定できる)の場合、被曝限度を現行法を超えて設定できるとしている(これは原子力安全委員会指針)。今回の事故は原子炉が運転し始めてから100年以内。津波の規模は1000年に1度以上だから、指針によって11ミリシーベルトを超えられない。

 

4) 食品基準、物品基準、廃棄物基準、土壌基準などは、11ミリシーベルトをスタートとして計算される。ベクレルは人間に関係の無い数値で、シーベルトを決めるとベクレルが決まる。従って、すべて11ミリシーベルトが最初の基準になっている。従って、食品でもゴミでも現行の基準を変えることはできない。

 

5) このほかに、原子炉については核種が多いので、特別な注意をされていて、「クリアランスレベル」という別の概念が適応される。これは「10.01ミリシーベルトのものは自由に取り扱っても(捨てても)良い」というもので、1年以内懲役、100万円以下の罰金を伴っている。

 

6) 今回の福島原発事故は、原子炉の中のものが飛び散ったので、クリアランスレベルを適応するべきである。

 

7) 瓦礫の処理には「今、東京にあるゴミより放射線量が低い」という理屈を持ち出すことがあるが、そんな法律はない。Aが泥棒をしたのだから、Bの泥棒が許されることはあり得ない。法律違反は法律違反である。もし東京のゴミが基準値以上なら、基準値以上のものを持ち込んでも良いというのではなく、東京のゴミを東電が処理しなければならない。

 

おおざっぱにいって、瓦礫に関して日本人を被曝から守るための法律は上記の様になっています。もし自治体の首長さんが良心的なら、クリアランスレベルを守るでしょう。それほど良心的でなければ、被曝の一般法を守るでしょう。

 

もし、住民の健康よりお金が欲しければ、法律があることを知らないふりをするか、いろいろな理屈を言うでしょう。なお、被曝に関する法律は「法で定められている」と言うほかに、「現在の医学では最良の値を決めている」ということでもあります。

 

時々、「法律で決まっていると言っても学問的にはどうなのか?」などと言う人がいますが、被曝限度のような数値は日本の学者のコンセンサスでできています。

 

法律に反することを言う学者は法律を決めるときに、相手にされなかったか、もしくは論争に負けた人です。急ぐので、まず、ここまでで第一回を終わります。

 

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(平成2424日)