政府や東大教授が事故の最初のところで間違いを言ったので、多くの人が誤解し、被曝しました。「自分を信頼している人を傷つける」というのが人間ではもっともいけないことですが、それを政府がしたのです。

 

今の民主党政権は日本国民が選び、そして権力の座についているのです。福島でも多くの人が民主党に投票したと思いますが、その人たち(恩人)を救わずに、被曝を予想するために100億円以上の研究費で作った「スピーディー」をアメリカには示したり、気象庁はIAEAに風向きを出したのに、日本国民には示しませんでした。

 

いったい、自分の主人(国民)、恩人(国民)をどのように思っているのでしょうか? 対策本部の議事録を捨てたという話もあり、民主党政権は国民の信託、つまり恩を仇で返したのです。

 

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ところで、爆発事故が起こった福島原発から、簡単に本質的に言うと「放射線は出ていません」。つまり「福島市に住んでいる人に影響のあるような放射線は原発から出ていない」ということです。

 

放射線は電磁波(光)ですから、「遠くに行くほど弱くなる」という性質があり、距離の2乗の反比例します。つまり、原発から1キロのところが100とすると、10キロのところは、1、つまり100分の1になる(10の2乗=10×10=100)のです。

 

東電の人がいる「重要免震棟」というのは原発の中にあります。そのほかにも東電の人は動くでしょうから、平均して原発から1キロ以内でこの10ヶ月、作業をしてきたとすると、もし原発から「放射線」が危険なほどでていたら、すでに健康に大きな障害がでるでしょう。

 

福島市は原発から60キロも離れていますから、もし放射線が問題なら福島の人に対して、原発の中の人は実に3600倍以上も被曝していることになるからです。

 

でも、幸いなことに、原発から放射線が出ているわけではなく、3月にでたのは「放射性物質」なのです。放射性物質が風にながれて福島市まで行き、福島市の人の周りに流れ、その一粒一粒からものすごく小さな放射線がでて、それが被曝の原因になったのです。

 

つまり、自分や自分の身の回りの「放射性物質=死の灰」からでる放射線で被曝するのであって、決して「福島原発からの放射線」での被曝ではありません。だから、原発からの距離と無関係ではないのですが、それより「風下」の方が危険で、さらに「外部被曝」より、その小さな放射性物質を呼吸とともに吸い込んでしまう「内部被曝」の方が打撃が大きいのも理解できます。

 

今でもこれは同じで、4号機が再臨界に達しても、そこからでる中性子や放射線は、作業している人には若干の影響がありますが、原発の外の人に影響があるようなレベルではありません。

 

問題は4号機の再臨界やプールの崩壊などで、どのぐらいの「放射性物質が飛散するか」ということにつきるのです。だから、4号機に何かあっても、もっとも重要なのは「風向き」です。その点で、気象庁は特に福島原発付近の風向きをオンタイムで詳細に国民(主人)に報告するべきですし、NHKも受信者(恩人であり主人)に風向きと4号機のデータを事細かに報道するべきです。

 

4号機も福島のセシウムも少し落ち着いていますが、相変わらず、緩い警戒と風向きに引き続き関心を持ってください。そしてそれと平行して、政府、東大(税金で研究している)、東電(電気料金で暮らしている)、気象庁(税金で食べている)、NHK(受信料で運営している)ところの「主人、恩人」が福島県民であることをもう一度、認識させる運動も必要でしょう。

 

(平成24128()