福島県を中心として飛散しているセシウムは相変わらず「やや危険」なレベルにあります。12日に400ベクレルを超えたセシウムは、その後、少なくなってきましたが、また中旬には200ベクレルを超えるまでになりました。

6432898b.jpg

 

 

 

グラフの縦軸は1平方メートルあたりのベクレル、横軸は1月の日にちです。このブログに書いたように、この状態は10月、11月とセシウムがほとんど観測されなかった時と全く違いますし、1平方メートルに200ベクレルという量は、葉物野菜で言えば、2,3日、この状態が続くと食材の規制値(内部被曝だけで11ミリ)を超えるほどの量です。

 

原因としては、「風向き、風の強さ、雨の状態」などから、もっとも可能性のあるのは焼却炉などからの2次飛散と考えられます。風の強い日は増えず、福島原発からの風向きでは説明できず、雨の日は少ないことから見て、言えます。

 

その後、読者の方からの情報などを元にすると、放射性物質を含む瓦礫やゴミの焼却は実に杜撰で、「1立方メートルあたり0.002グラムしか灰が飛んでいないから大丈夫」などと自治体はコメントしていますが、それは「放射性物質ではない、一般的な毒物」の場合です。

 

セシウム1371グラムで32000億ベクレルですから、0.002グラムというとセシウム137で実に60億ベクレルを超える量です。焼却炉の煙の中の灰がすべてセシウム137ではありませんが、「測定していない」ようなのです。また、焼却灰を見てみるとセシウムで1万ベクレル(1キロあたり)を超えるものが多く、これは法律で「取り扱ってはいけない放射性物質」になります。

 

完全に焼却炉は「違法状態」にあるのです。福島原発事故が起こってから、自治体は東電に遠慮して、目を覆うばかりです。これほどの違法を繰り返すのが日本の自治体だったかと思うと情けなくなります。

 

・・・・・・・・・

 

ところで、4号機ですが、4号機のプールには使用中と使用後の核燃料1500本があります。これが地震などで倒壊して原子炉建屋の中に落ちた場合、1)部分的に小さな核爆発がおこる、2)下に落ちてから放射線の灰が飛び散る、の2つが考えられます。

 

核爆発の方は起こっても極めて小さく、わずかな中性子がでるだけと考えられます。核爆発が起こると燃料と燃料の間にある水が沸騰して燃料間の距離が離れますので、瞬時に核爆発は収まります。

 

第二次世界大戦中、ハンフォードなどのアメリカの施設で爆発事故がありましたが、このような爆発では数10人が死ぬことがあっても、原発の外まで影響が及ぶような規模はありませんでした。

 

つまり、広島の原爆のようなものは、1)金属の固まり、2)ウランの濃縮度が90%ぐらい、と爆弾向きなのであれほどの爆発をしますが、4%程度の濃縮度のウランが燃料棒の中に入っていて、お互いに強くバインドされていない時には、大規模な核爆発は生じないと考えられます。

 

落下した燃料棒はかなり損傷しますから、そこから放射性物質が飛散しますが、これも3月の飛散量に比べれば、多くても10分の1以下にとどまるでしょう。従って、4号機の崩落は「逃げなければならない状態にはならない」と考えられます。

 

つまり、4号機の危険性より、現実に住んでいる近くに落ちてきているセシウムの方が今のところずっと危険です。まずは被曝しないようにすることです。一度、日本の大地に降り注いだ放射性物質が、再び舞い散るということは、長い間、内部被曝をすることですから、これは新しい危険と言えるでしょう。

 

また、東京などでヨウ素とセシウムが発見されています。6月からの様子を見ますと、医療用、他の原発など、かなり杜撰な管理をしている可能性がでてきました。そうなると、ECRR(ヨーロッパ系の専門家)が言っているように、もともと日本で30万人がガンで死ぬ内、かなりの部分が被曝によっているという意見も少し気にしなければならないでしょう。

 

(平成24121日)