年末年始にセシウム降下物が急増したことで、生活を送る上では「緩い警戒」が必要です。その後の状態はまたの機会に紹介するとして、今日は「原因」について整理をしてみました。

今のところ、マスクは必要。外出は少し控えて、すんでいるところの移動は不要。洗濯は外の干して良いが、取り込むときにはたいて取り込む、どうやら幼稚園、小学校は行かせて良いが、帰ってきたらシャワーと服の洗濯が必要というぐらいです。

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このブログでは、事実を良く認識し、最初の対策を取ってから原因を調べた方がよい・・・火事が起きたらまず逃げることが大切で、火元がどこかを調べるのは後でよいいといいました。でも、ある時点では火元や原因を知った方がより正しい対策を講じることができます。

 

まず、第一に「新しくできた放射性物質か」、それとも「3月11日までに作られた放射性物質か」を判断することから始めます。すでに6月から不検出が続いています。6月というと事故からすでに60日以上経っています。福島原発では事故直後に原子炉に制御棒を差し込んで核爆発を止めていますから、その後に「新しい元素」は生産されません。あとは、半減期にそって減っていくだけです。

 

ヨウ素の半減期は8日ですから、6月には最初の300分の1ぐらいに減っています。最初の降下量は1日3000メガベクレル(1平方キロメートルあたり)ぐらいだったと推定されますので、すでに10メガ以下になっていると思われます。

 

一方、セシウムは2つの同位体があり、134の方が半減期が短いので、もし、「特別ではないところからやってきたセシウム」なら、セシウム137が少し多く、その比率がだんだん大きくなってきているはずです。そこで、(セシウム137÷セシウム134)の比率を計算してみました。

 

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その結果、4月の1.09から始まり、月を重ねるごとに少しずつ上がって、12月には1.35まで増えています。そして1月に急激に増えた時の比率は、1.38ですから、「事故で核爆発を止めた福島原発のもの」であると一応、結論することができるでしょう。

 

ちなみに、原子炉の中(たとえば2号機)からか外(福島市街地)からかは元素の比率から見ても判りません。核爆発(原子炉運転中)によって新しい元素ができますが、原子炉が止まってしまえば、「内」も「外」も同じだからです。

 

時に、「ヨウ素があったら原子炉からでてきたもの、なければ二次飛散(一度、土やコンクリートに落ちたものが再び風で舞う」と言っている人もおられるようですが、原子炉が動いている時には日々、核爆発(核反応、臨界などどれでも良いが、核爆発がもっとも正確な表現(注あり))しているので、半減期の短い元素もできるのですが、反応を止めてしまえば、そこから減るだけですから、その場所が原子炉の中でも外でも同じだからです。

 

その意味では、3月から「なかの原発」と「そとの原発」の二つに分かれ、「なかの原発」が福島第一原子炉内で、「そとの原発」が福島県を中心とした汚染地帯ということですから、どちらから飛んできても元素の構成は同じです。

 

しかし、決定的に違う点があると思います。それは「降ってきたセシウムの粒径」です。原子炉から直接、飛んでくる「死の灰」の粒径はおよそ0.3ミクロンメートルから30ぐらいと考えられます。つまり比較的「小さい粒」です。

 

これに対して、一度、土の上に落ちたセシウムは土の粒子を結合したり、付着しているので、二次的に飛散する場合は、粒径が大きくなり、1ミクロン以下のものはほとんど無いと考えられます。従って、粒径分布を見ればわかるのですが、まだ、私は降下物の粒径分布の測定値を見ていないので判りません。

 

このことは「防御する」ためには非常に重要です。つまり、原子炉から相変わらず漏れているなら、N95のマスクが必要ですし、もし二次飛散なら普通のマスクで十分だからです。

 

もしも東電が真面目な会社で反省していれば、福島の人を少しでも被曝させたくないと考えるでしょうから、原発からの漏れを毎日、詳細に出すはずです。でも、記者会見で記者の人の質問に答えて「二次飛散じゃないですか」と冷たく言い放っているぐらいですから、どうにもなりません。この意味からも東電は相変わらず国民を被曝させるのに懸命ですから、犯罪者でしょう。

 

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福島の土地に落ちたものが再び舞い上がるには、「乾燥した日で風の強い日」に定時降下物が増えるはずですが、これまで数回にわたって高い値が観測されたものを調べてみますと、風との関係がほとんど見られません。このグラフはネットからいただいたもの(いつものように多くの人の健康に関するので、お断りして使わせていただいています)ですが、雨の日は少ないのですが、風との関係が見られないのです。

 

そこで、今日のところは、次のようなことがわかります。

 

1) 空気中に飛散しているセシウムは、福島原発由来のものである、

 

2) 原発から直接でているのか、一度、大地に落ちたものかは粒径が不明なのでまだわからない、

 

3) 原発からならN95、二次飛散なら花粉用のマスクで十分です。花粉用のマスクの方が孔が小さいので、呼吸はずっと楽と思います、

 

4) 雨が降ったときには飛散しないが、風の強さとか関係がない(理由不明)、

 

5) 国や県の発表が2日遅れるので、今後、1週間ぐらいはマスクが必要、

 

ということになります。

 

明日、時間がとれれば、マスクをしないで吸い込んだときに、どのぐらいの被曝になるかの計算を出すつもりです。

 

(平成24110()

 

(注) 核爆発=状態を表現している工学的表現

 

    核反応=化学反応を表現する理学的表現

 

    臨界 =状態ではなく、限度を表現する質的に異なる用語。