南葛西第二小学校は、2012年2月14日より3泊4日の日程で、福島県国立那須甲子(なつかし)青少年自然の家に児童を連れて行く計画を強行しようとしている。行く先の住所は、福島県西白河郡西郷村大字真舟字村火6-1で、放射性物質が落下した危険な場所である(那須と言えば栃木県だが、この場所はギリギリ福島県)

 

具体的には空間線量が1時間あたり0.25マイクロシーベルトの範囲にあり(学校では0.14という説明をしているが、児童が最大のところに行く可能性があることを考慮して上げる必要があるので)、外部被曝だけで1年2ミリに相当する。また文科省の土壌調査の結果では日本の法律で立ち入りが禁止される1平方メートルあたり4万ベクレルを超えている地域でもある。

 

よく「福島に住んでいる人は被曝は仕方が無い」という意見もある。私はまったく違う考えで、日本人は誰もが東電のミスで被曝する義務があるとは考えていない。さらに、多くの東京の人が西の方に避難して少しでも被曝を減らそうとしている時に、「苦情を言わない子供だから」という理由で、より放射線の多いところに連れて行くのは、常識外れである。

 

でも、おそらく日本の法律もこれまでの被曝を避ける指導もご存じないのだろう。また教育は政府と独立しているということも、文科省の締め付けの中で、普段の教育活動の中で取り入れにくい(つまりは教育基本法違反だが)と思う。

 

 

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まず第一に、日本の法律では、ここに示すように被曝をできるだけ減らすように努力を求められている。文科省、教育委員会、校長など、教育の主要な人たちは、これまで日本人を被曝から守ってきた法律を無視せず、子供たちを被曝させ無いようにしなければならない。

 

那須よりも南にあり、いくらかは放射線量が少ない日光でも観光客は1日3000人が20人に減少した。つまり大人は自由意思だから日光はわざわざ出かけるなら「行きたくない場所」なのである。大人が行きたくないのに子供を(結果的に)強制的に連れて行くことは指導者としては望ましくない。

 

政府は除染や住民の移動にお金を使いたくないという方針であり、福島県は住民が福島県から出て行くと収入が減るということで、移動させないようにあらゆる手段を執っているが、教育は子供を守るのだから、国家予算や地方財政を守るために使っている手段を子供に適応しないほうが良い。

 

 

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外部被曝はもちろん、食事からの内部被曝で抽象的な文章を保護者に出している。ここで「安全」と言っているのは政府基準だからセシウムだけで1年5ミリシーベルト、全放射線核種では実に17ミリシーベルトなのである。法律は外部被曝、内部被曝あわせて1ミリシーベルトだから不適切だ。

 

事実、昨年11月には文科省が今の食材の基準の500ベクレルを12分の1にした40ベクレルを児童には適切と発表した。この発表は「測定器がない」という教育委員会の反対で実施が遅れているが、児童の健康に対する数値はそんなことでは変わらないのもまた当然でもある。

 

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南葛西第二小学校はなぜ、わざわざ福島に児童を連れて行くのだろうか? 福島のお母さんができれば福島から脱出して我が子の被曝を減らしたいと思っておられるさなかである。

 

考えられないが、もしかすると「那須の人の生活費」を確保するために「自分の学校の児童を被曝させる、健康と交換」という論理なのだろうか? 日本は法治国家だから、教育担当の責任者はよく考えて貰いたい。

 

教育とは、一つ一つのことに他人の言動や政府の方針に盲従せずに、また自分の栄達などを中心とせず、善良で人格の高い人材を育てることを目的としている。それは「国家のために個人が犠牲になる」ということではない。独立した人格を形成しようと教育している学校が、みずから法律を犯して政府の短期的な政策に盲従するのは望ましくない。

 

(平成241月4日)