明治の粉ミルク汚染で「セシウムが1キログラムあたり22から31ベクレル」と報道されました.この報道は「会社サイド」に立った報道(つまり、会社の発表をそのまま報道した数値)です。もともと会社の自主的な発表ではなかったという話もありますがまだ未確認です。

 

これはこれで事実なのですが、「子供の立場」から言えば、粉ミルクに入っいる放射性物質はセシウムだけ出はないことは間違いありません.原子炉からはヨウ素、セシウム、ストロンチウム、プルトニウムなどが出ており、子供はそれらの混合物を摂取することになります。

 

従って、専門家としては「子供のために」、「会社が発表したセシウムだけの数値からすべての放射性物質を拭くんだ数値」を推定する必要があります。本当はすべての数値を測定するのが正しいのですが、会社は面倒だということで測定していませんし、マスコミも「記事を書ければそれでよい」ということ、さらに御用学者は「できるだけ低く見せるためにはセシウムだけでよい」としているので、結局、余計に被曝するのは子供ということになります。ひどい社会ですね.

 

私は、終始「セシウムだけが発表された場合は、3割り増しにする」ということにしています.あまり危険を強調するのでもなく、かといって科学的な間違い(セシウム以外に放射性物質が入っているのを判っていて補正しない)ことはできないからです.

 

今回の明治の事件は、水分を含んだ原料を乾燥するときに乾燥空気のなかのセシウムが粉ミルクに付着したと説明されていますから、メーカーの責任としては、空気を分析してセシウム以外の放射性物質量を出すこと、さらには3月にさかのぼった測定値を公表するなどが必要です.

 

なんといっても明治乳業は歴史もあり、多くの日本のお母さんに支えられて営業をしてきた会社ですから、ここは恩のあるお客さんを安心させるだけの十分な、誠意あるデータを提供して貰いたいものです。

 

そこで私はブログに30-40ベクレルとしました。また私が食材で使っている1キログラムのベクレルを100で割ると1年あたりのミリシーベルトになるというのも、セシウムだけを考えると130でも良いのですが、食品汚染が判る度に全部の核種がでていないと子供の健康を守れないのではどうにもならないので、3割り増しでやっています。

 

私の信条は「科学的にOKで、若干、安全サイド」というスタンスを取ることが、変化が多く、ウソも入る2011年度で子供の被曝を低下させるには大切だと思っています.

 

(つづく)

 

(平成23127日)