女子高校生のアンケートを見る機会がありました。彼女たちは簡単明瞭、純粋で感覚的にものを考えているので、ズバリ、本質が見えるようです。その一つに「なぜ、原発をやるの?」という疑問がもっとも多く寄せられていました。

 

私もこの際、なぜこれほどまで日本人が不安に思っているのに原発を強行しようとしているのかと思い、高等学校の教科書を見てみますと、1)石油・石炭などは枯渇する資源だ、2)CO2で地球が温暖化する、という二つの「科学的ではない根拠」が書かれていて、その結果、「原子力か自然エネルギーが必要となる」とされています.

 

実は、公表されているデータからは、原子力に使うウランは石油や石炭より早く枯渇するのですから、教科書の記載自体が「科学的事実」ではなく、「マスコミで報道されていること」に基づいている野ですが、そんなことが国の重要な施策を決めたり、子供たちに間違った知識を受け付けているのですから、大変なことです。

 

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「温暖化すると南極の氷が融ける」というとんでもない「ウソ」があります。非常に簡単なトリックなので説明しておきます.南極の気温はマイナス40℃です。このマイナス40℃の氷が温暖化で5℃あがり、マイナス35℃になると氷は「融ける」でしょうか? 

 

水は0℃で凍り、マイナス10℃でも、マイナス20℃でも、氷の状態が変化するわけではありません。0℃以下の氷はどこまでも氷で、その体積もほとんど変化しません。だから、南極の気温がマイナス40℃からマイナス35℃になっても氷は融けないのです.

 

ところが、地球温暖化のことになると多くの日本人が「マイナス40℃の南極の氷はマイナス35℃になると融ける」と錯覚しています。これは、環境省がIPCC(気象変動に関する政府間パネル)の正式報告を故意に誤訳した結果です。

 

つまり、IPCCは「南極が温暖化すると氷は増える」と正式報告しているのに、環境省は「IPCCによると、南極の氷は温暖化すると減る」と白書に書いたのです。NHKなどのメディアはIPCCの報告書を読まずに、環境白書をそのまま伝えたようです。

 

環境省が逮捕されないのは不思議です.それで税金を使い、人々の生活を規制しているのですから、「詐欺罪」は間違いないと思います.

 

でも、環境省が逮捕されないのは、「お上の詐欺はとがめない」という司法の方針があるからですが、そのほかにも不思議なことがいくつかあります。一つは日本の専門家はIPCCの報告書を読まなかったのかということ、二つ目はIPCCに代表としてでている専門家はなぜ黙っていたのかということ、三つ目は日本には240万人の技術者がいるのにIPCCの報告書(原典)を読まずにTVや新聞だけで意見を述べていたのか、そして第四に日本の物理の先生はこれほど初歩的な相変化の矛盾を何とも感じなかったのか、ということです。

 

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南極の氷は気温が上がっても氷は融けず、海は少し暖かくなるので水の蒸発量が増え、どちらかというと氷は増えるのですが、こんなに簡単なことが日本中で常識になるぐらいですから、「原発は安全か」のようなさらに難しいことが正しく理解されるのはとても難しいと思います.

 

日本では世間に常識というものが定着しますと、それがどんなに間違っていても、「赤信号、みんなで渡れば」の類で科学的に間違っていようと、法律違反だろうが、それが通用するという不思議な現象が見られるのです.

 

いずれにしても、ここでハッキリしておかなければならないのは、教科書から「温暖化すると南極の氷が融ける」という記述を削除しなければならないことです。

 

(平成23126日)