原発事故の後、自治体もマスコミもまるで「17歳のぐれた青年」のようだ。17歳の頃、むやみに社会に反抗したくなり、「俺、免許なんかねえけど、高速を160キロで飛ばしてるぜ」とか、そんなことを言って他愛なくカッコをつけたくなるものだ。長じてもそんな若い頃の癖が抜けない人がいて、「俺なんかいつも酒飲んで運転しているけど、別に交通事故なんか起こさないぜ」といってカッコをつけている。

 

でも、法律や規則違反を推奨するのは感心したことではない。私はよく週刊誌などのマスコミで「武田は1年1ミリと言って危険を煽っている」と言われるが、「1年1ミリ」という法律や規則があるからこそ、これまで日本人は被曝から守られてきた。それでも「日本人は医療被曝でかなりのガンが発生している」という報告もあるぐらいだ。

 

私が法律による被曝限度を説明すると、「法律を説明する=危険を煽る」というのだから、こんなことはこれまでの日本にはないことだった。東電の手先であることは確かだが、なんでそんなに東電にゴマをすりたいのだろうか?

 

福島原発事故以来、誠実で遵法精神の高い日本人としては驚天動地のことが続いている。NHKは「被曝限度の法律」についてほとんど触れずに、「大丈夫」を繰り返している。地方裁判所は「東電からゴルフ場に降ってきた放射性物質の所有権はゴルフ場だから、ゴルフ場が勝手に片付けろ」などという非常識な判決を出している。

 

今後、日本社会は、時速80キロの高速道路を120キロで走ってもNHKは「大丈夫だ」というだろうし、誰かが他人の敷地に毒物をまいても「まかれた方が片付けろ!」と怒鳴られるという、とんでもない日本社会になりそうだ。

 

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福島原発事故で気が動転したのはわかるが、それにしても日本全体の慌てようはどうしたものだろうか? 流山市長も17歳では無いのだから責任のある態度をとって法律ぐらい読んでください。また、報道関係もしっかりした遵法態度、危険に関して慎重な報道を望みます。

 

(平成231127日)