福島原発事故は、世界430基あまりの原発で、はじめての「通常運転時の大事故」です。「2番目でなにが悪いのですか?」という発言が話題になったことがありますが、「ビリ」なのですから本当に恥ずかしいことです。

 

国際的にみて日本だけが失敗をするようなときには、その裏に大きな「論理の不整合」があると私は思います。なにか、社会的な狂乱状態になり、日本人の力が発揮できなくなるのです。そこで原発の論理不整合を少し整理してみます。論理を整理するときには例外や細かいことにあまりとらわれず、本質だけを見るようにしてください。

 

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1) 世界の原発で震度6クラスの地震地帯に建設されている原発は日本だけと言ってよい。

 

2) 地震や津波が来ないところで設計されたものは、地震や津波に対して十分な考慮がされていない。

 

3) 日本の原発はアメリカで設計されたものであり、日本の技術者が日本の原発を設計したことはない。

 

4) 「耐震設計」と「耐震補強」、「耐津波設計」と「耐津波補強」とは違う。たとえば、「防潮堤」は原子力発電所の耐津波設計が無いので、外側に波を防ぐ壁を作るというものである。

 

【結論】 論理の整合性から言えば、日本が独自に耐震・耐津波性の優れた原発を設計しないで、単に「防潮堤」などのその場しのぎの対策に終始していたので、福島原発は爆発した。

 

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「防潮堤の高さを高くしたら原発は安全になる」ということも言われますが、上記の論理からは「安全になるはずはない」ということになります。たとえば今回の東海第二の事故のように、「どこからか水が漏れてきた」というだけで電源が泊まってしまうからです。

 

なぜ、「原発は海岸に経っていて、電気は塩水に弱いのに、電気関係の機器が地下にあるのか」というと、それは「津波など予想もしていない人が設計した」からです。私たちはここで「賛成・反対」という前に「論理は整合しているか?」に注目してみる必要があると思います。(久々、音声あり)。

 

「takeda_20111119no.306-(7:10).mp3」をダウンロード

 

(平成231119日)