先回、高等学校の教科書に被曝と健康についてどのように書いてあるかをご紹介しました。それによると「一般公衆は11ミリ」と明記されていることを示しました。こんなにはっきり書いてあるのに「11ミリといって危険を煽る」と言う人がいるのですから驚いてしまいます。

 

今度は「公衆衛生」の授業の教科書にはどのように書いてあるかをご紹介します。

 

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まず、日本では自然放射線は低いのに、医療被曝が世界でも断然、多いことが示されています。この点についてすでに2004年にもヨーロッパの論文で、日本の医療被曝でガンが4倍も多いとされていて、話題になったことがあります。

 

お医者さんとしては、検査した方が患者さんも安心するし、もし十分な検査をしなければ医療ミスで訴えられるし、検査はお金になるので、どうしても過剰な検査をします。それに放射線の機械は高いのでメーカーはなんとしてもお医者さんに放射線の検査をして欲しいのです。

 

もちろん公衆衛生の教科書でも「一般公衆の被曝限度は11ミリ」と明記してあります。ただ、ここで問題なのはこのような教科書を書いていた人たちが福島原発事故以来、「被曝しても大丈夫」とまったく正反対なことを発信している点です。お金のためとはいえ、みすぼらしく惨めな専門家ですね。

 

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次に胎児の被曝の影響について、広島長崎の例を引いています。妊娠8週目から25週目にかけて1シーベルト浴びた胎児のIQ(知能指数)は30ほど下がり、重度の知的障害になることが示されています。11ミリなら問題にはなりませんが、文科省大臣と食品安全委員会が児童生徒に被曝させているのが130ミリですから、そのぐらいになると知的障害が起こる可能性があります。

 

ただ、広島長崎のデータは戦後まもなくであり、必ずしも十分なものではないのですが、それでも胎児の被曝も注意が必要であることを示しています。

 

先日、校長先生にも呼びかけましたが、学校で使用している教科書の多くが、当たり前のこと、1)被曝は低く、2)11ミリ、3)ガン、遺伝障害、知的障害が起こる可能性がある、と書いてあるのに、「被曝が危ないと煽るな」と言うのは実に奇妙です。むしろ「被曝は安全と煽るな」と言いたいと思います。

 

(平成231115日)

 

(注:教科書は読者の方から教えて貰いました。また事実の記載なので一般的資料として使わせて貰いました。)