1) 水:田畑の表面の線量を下げようと畑の土を上下、ひっくり返したり、水路に放射性物質が流れるのに任せていることが続いているので、地下水の汚染が心配です。ご自宅で地下水を使っている人、地下水を水源に使っている水道局は注意をしてください。しかし、富士山関係の水、中部地区以西の水など安全なものも多いので、地域で判断してください。

 

2) ガイガーカウンターについて

 

福島原発が起こってから時間が経っていないときには、自分のまわりに放射性物質が来たかどうかが問題でした。だから0.1マイクロシーベルトか、2マイクロかということでしたから5万円から10万円程度のもので良かったのですが、事故後8ヶ月たち、もう少しきめ細かく測定をする必要がでてきました。

 

私が今まで「自然放射線量」の測定のことをあまり言わなかったのは、0.05マイクロシーベルトなどを考えるより、もっと危険なところに注目しなければならなかったからです。

 

でも、現在では0.1か0.15かが問題の時期になりました。そこで正確で「校正」された測定機器が必要です。そうなると個人では難しいのでなんとか共同とか公的なところで準備した物を使うとか、測定会社に頼むなどの方が良いと思います。

 

3) キセノン、ストロンチウム、プルトニウム

 

これも事故直後と少しずつ変わってくるものですが、事故当時はヨウ素が主でセシウムの2倍はあります。だから、{セシウムがこのぐらい}ということがわかると、それを3倍すると4月ぐらいまでの被曝を計算できます。

 

また、ストロンチウムはセシウムの10分の1と考えて良いと思います。ストロンチウムは化学的にはセシウムと双子の関係ですが、沸点、融点などが違うので原子炉が爆発すると空気中にはセシウムの10分の1ぐらいがでると思われます。水中は不明です。原子炉出口から海水に放出されたセシウムとストロンチウムの値は測定されていると思いますが、発表されていません.その点、サカナは北海道の太平洋側から静岡までダメです。

 

キセノンは人間の体を素通りしますから外部被曝と同じ取り扱いで、ものすごい量が放出されましたが、今ではどこに行っているのか不明です。

 

プルトニウムは海以外はそれほど危険性はないと思います。ただ、プルトニウムを9%含んだ燃料を使っていた3号機の爆発の時に大きな物体が吹き飛んでいて、それに対する調査がされていないので若干、問題を残しています。

 

全体的に見て、「セシウムの2倍」ぐらいに考えると現時点では良いと思います。もちろん空間の線量率はセシウムもストロンチウムも含んでいますので、そのままですが、給食のような食材や水、それに文科省から発表される土壌汚染でセシウムだけが表示されている場合、正確には{セシウム×1.2}ぐらいから{セシウム×1.8}ぐらいと考えられます。

 

4) 鼻血、下痢、マイコプラズマ肺炎など

 

福島原発以後、鼻血、下痢の子供が多かったのですが、報道も医学会も取り上げませんでした。その頃、質問してこられたお母さんには「病院にいっても相手にされないから、お子さんの健康により注意してあげてください」と言いました。かつて「シックハウス病」の時に最初は訴える人にたいして病院はとても冷たかったからです。

 

病院は「判っている病気を治す」のが本職ですから、「今までに無かった病気」を親切に診察して患者とともに悩んでくれる医者はとても少ないからです。しかし、そのことを覚悟して病院に行けば少しは良いというアドバイスでした。

 

最近は鼻血、下痢について報道も行われるようになり、さらにマイコプラズマ肺炎の流行にも注意が払われるようになりました。

 

実は、福島原発事故では「微生物を突然変異させる可能性」があります。だから今年の流行には特に注意が必要で、感染症関係の人は気を配って貰いたいし、お母さんはお子さんの体力をつけて無用な感染症にかからないように注意が必要です。

 

5) 汚染の程度を自分で判定する

 

個人でセシウム濃度(ベクレル)を測定されてご判断される時には次の指標が便利です。

 

【ケース1】1キログラムあたりのベクレルを測定した方

 

セシウムは1キログラムあたり10000ベクレル以上になると「放射性物質」になり、厳しく管理され、普通の人は扱うことができません(できないほど危険)

 

現在はセシウムしか測っていませんが、原発事故の時には複数の放射性物質がでるので、セシウムの値を2倍する必要があるので、セシウムだけなら5000ベクレルが「ハッキリ危険」ということになります。

 

さらに、放射線の取り扱いでは、危険領域の10分の1になると「注意(黄信号)」になるので、結局、「1キログラムあたり 500ベクレルで黄色信号、5000で危険」と考えて良いでしょう。

 

【ケース2】1平方メートルあたりのベクレルの場合

 

法律で、危険領域をハッキリと「4万ベクレル(アルファ線が含まれない時)」となっていて、40万ベクレルを超えると法律に違反します。つまりこの場合は、4万ベクレルですぐ東電に連絡をしなければなりませんし、お役所は東電を呼んですぐに片付けさせる義務があります。

 

   以上に関する法律などを参考までに示しておきます。クリックすると少し字が大きくなります。

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(平成231111日)