福島の南には二本松、郡山を通った放射性灰と、いわき市、水戸を通った流れがあります。それが群馬、千葉、埼玉、そして東京、神奈川に流れた。その様子は次の図で示されています。

 

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福島に接しているところには1時間1マイクロシーベルトを超えるホットスポットがあり、また霞ヶ関や沼田の付近には0.5マイクロの場所が見られます。細かく測定するとさらにミニホットスポットが多く見つかると思います。

 

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まず第一に自治体レベルでやることはホットスポットの地域で「飛散防止」の措置をすることです。これはすでに法律や規則で定められていますので、その一例として電離放射線障害防止規則の第28条を示しておきます。厳密な法律論はこのブログではしないことにしていますが、何にしても「日本人の健康」という点ではどの法律でも同じですから、まずは「飛散措置」をして貰いたいと思います。

 

飛散措置は土壌飛散防止剤がすでにありますので、それをシャワー上にして土の上に散布すればほとんど飛散を防ぐことができます。安価にできるので、除染を躊躇している自治体でもそれぐらいは住民の安全のためにやって欲しいものです。

 

個人的な防護としては、被曝限度が1年1ミリですから0.25マイクロのところは8760時間をかけて、2.2ミリになりますから移動した方が良いでしょう。でも、大きな地域で平均的に0.25マイクロということは、部分的には1マイクロのところも0.08マイクロのところもあるのですから、できるだけ細かく汚染を測定すれば1年1ミリに抑えられる生活もあるかも知れません。

 

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最近、1年1ミリという規則を作った人たち、それを守ってきた放射線関係の人たちの多くが1年1ミリを守らなくても良いと発言し、さらには1年1ミリを説明する人に対して「危険を煽る」とまで言っています。日本は法治国家ではなかったのかとも思い、ガッカリしています。

 

1年1ミリは「外部線量+内部被曝」の合計で、文科省はこの計算を間違えないように事故前までは厳しく指導してきました。それに従えば、外部被曝0.4ミリ、水0.1ミリ(水道局)、食材0.4ミリ、ホコリ0.1ミリぐらいが適切ですから(本来はこの目安は国が発表する方が良いのですが)、外部被曝を1年0.4ミリとすると、それを8760時間で割って1時間0.05マイクロになり、それに自然放射線のうち外部放射線の分、0.03程度を加えますと、測定値としては0.08マイクロぐらいが「安心の目安」になります。

 

つまり、図の白いところはほぼ普段通りの生活をして、色がついているところは、1)できれば付近の色の白いところへ移る(直ちに補償を東電、東芝などに求める)、2)生活圏内をよく測定してマップを作り平均値を下げる、などが必要でしょう。もともと東電・東芝が除染しなければならないのですから、こんなことをすること自体に腹が立ちますが、私たちが選挙した人たちの判断ですから仕方が無いので、自衛するしかないのです。

 

(それにしても東電は汚染地域をそのままにしていますね。それに東芝などのメーカーもほとんど福島の人を助けていないような感じですが、どのように思っているのか、聞いてみたいものです。また1年1ミリの規則を作った人たちにも、どうしてそんなに信念が無かったのか、特に今でも発言している人は自分が作った規則を簡単に破って、また違う数値で人を説得しているのですから、その気持ちもなかなか理解できません。)

 

(平成231020日)