法律で1年1ミリと決まっていて、国際的にも合意されているのに、事故後、急激に「1年1ミリを超えても大丈夫」という大人が増えてきました。このことで苦しんでいるお母さんが多いので、是非、以下の論理を読んでいただき、本当に「1年1ミリ以上でも大丈夫」と大人の責任で言えるのか、10年後に疾病がでたときに補償する力があるのかを考えていただきたいと思います。
1) 日本の法律で1年1ミリと決まっている。また仮に日本だけが1年1ミリ以上にしても国際的な合意を得られないので、観光、食品輸出、国際ビジネスなどに大打撃が予想される。国際的にも約束を守らない日本人ということで信用を失墜する。
2) お母さんは「被曝すると子供がすぐ病気になる」とは思っていない.10年先に病気になることを心配している。人間なら10年先のことを予想できない。10年先のことをなぜ「大丈夫」と言えるのだろうか?ここを考えて欲しい。
3) 発言する人は、原子力、放射線の関係者で1年20ミリの許可を得ている成人男子に対して、1年1ミリになるように指導してきたという事実を述べるべきである。また、1年1ミリ以外の数値を言うときには、なぜ意見を変えたかを述べるべきである。
4) 1時間1マイクロ(1年に外部被曝だけで8.7ミリシーベルト。内部を加えれば10ミリに近くなる。)が安全と言っている自治体などがあるが、その根拠を示すべきである。住民が計算できないだろうと思って、1時間1マイクロ以下は安全というのは悪質の部類に入る。公務員は正直で誠実であって欲しい。
5) 1年1ミリを決めるとき、1ミリでも危険という意見と1ミリ以上でも安全という見解があり、議論をして決めている。だから、1年1ミリ以上でも安全というデータは多くあり、また同時に1年1ミリ以下でも危ないというデータも多くある。自分の考えがどちらかでも、多くの子供が被曝している最中に、自分の意見に都合のよいデータだけを示して、子供たちを1年1ミリ以上の被曝をさせる権限は誰にもないことは明らかである。
6) 先日のNHKの番組のように、福島県で一つの家庭だけをとって、それがあたかも福島県を代表する平均や、特に危険なところにお住みの方のように放送した場合、10年後に障害がでたら、それを人間は購うことができない。病気になった人の将来は取り戻せない。NHKは絶対に番組内容を保存し、常に視聴者が見ることができるようにすること。
7) 事故後、6ヶ月を経って、1ミリ以上でも大丈夫というデータだけを出して自分の意見を言う人が後を絶たないが、たとえば今年、100ミリを主張した人は、10年後、20年後まで自分の発言を保存し、病気がでたら自ら申し出て、その子供の生涯を償わなければならない。人の人生を人が取り返すことはできない。
8) もともと福島原発の設計は一般公衆の実効線量(外部+内部)が1年1ミリになるようになっていて、事故が起こったら1年1ミリを超えることにはなっていない。大人は実施したことに責任をとらなければならない。
9) 福島を除染し、日本国民の被曝を1年1ミリ以下に押さえ込むことは財政的にも技術的にも可能である。
以上のことをよく考えいただき、子供たちが被曝している現在、日本人の誰もがすでに20年間、合意事項として社会の安全を保ってきた1年1ミリに違反し、それ以上の被曝を容認することは人間として、大人としてできないことをよく認識してください。
被曝を押さえ込んだら、将来のために議論して、世界を納得させたら、1年1ミリを超える基準もあり得ます。
一刻も早く、お母さんが安心できるように、権限のある大人が行動をおこしてください。1年1ミリにすればストレスはすべて無くなるのですから。難しい理屈を作って1年1ミリ以上の被曝を子供にさせるなら、被曝しないように行動する方が良いと思います。
(平成23年10月19日)