今日、メールで加湿器のご質問を福島にお住みになっているお母さんからいただきました。「そうか!」とまだ検討していないことに気がつきました。いろいろ検討しているつもりでもまだ生活のすべてというわけには行っていないようです。また自治体などにといわせてもなかなか満足なお答えはないと思います。
被曝は、外部から、呼吸から、水から、食材から、土ホコリから取り込まれますが、そのうち、呼吸と水の組み合わせが「加湿器」です。日本の水道水の基準値は、1年0.1ミリシーベルトであること、日本の河川水は循環が速いので比較的安全であることはすでに書きましたが、現実には水道局が1キロあたり5ベクレル以下を測定限界以下にしていることなどから、計算してみる必要を感じました。
いつもの通り、生活の中で使うことができるように、できるだけ単純にして計算をしてみます。すべてを大人で計算し、子供は年齢とか体重で「おおおそ大人の何分の1」というように考えてください。
加湿器に入れた水で部屋の加湿をしたとき、部屋の中はおおよそ1立方メートルあたり10グラムぐらいの水になります。大人が呼吸する量は一日に20立方メートルぐらいですから、200グラムの水をとることになります。もし、口から入るなら、一日800グラムぐらい飲む水が1リットル(1000グラム)になるのですから、あまり気にすることはありません。
そこで、「胃から入る」というのと「呼吸で肺に入る」という差を考えなければなりません。これには実効線量係数というのを使うのですが、ヨウ素、セシウム、ストロンチウムは10のマイナス8乗程度(Sv/Bq)ですが、プルトニウムだけは1万倍になります。
つまり、プルトニウムがなければ、「少し多めに水を飲んだ」というぐらいなのですが、プルトニウムが水に入っていれば危険ということです。ただし、福島の中通りではセシウム(5ベクレル)の1万分の1以下と考えられますので、水道水を加湿器に使っても大丈夫でしょう。ただ、福島の水道局が早期にプルトニウムの測定値を出していただけると安全かどうかを最終的に確定することができます。
(平成23年10月4日)