今回の福島原発に関係するデータや情報、それに行為そのものの全部だが、政府のやり方はあきれるほど遅いし、作為的と思います。たとえば、いち早く国民に放射性物質が襲ってくるところを予想するはずのSPEEDI, WSPEEDIの結果は、放射性物質の流れが終わってから発表される・・・被曝してから発表した・・・という状態で、税金の完全な無駄使いで、しかも職務怠慢で国民に障害(被曝)を与えました。

 

さらにすごいのが4月の放射性物質の飛散の「予測」を、8月に発表したということまで起こっています。台風の「進路予想」を台風が通り過ぎてから発表しているようなもので、深刻なことですが、あまりにバカらしくて笑いたくなります。

 

さらに、子供の健康診断をして被曝量も3月末に健康診断した結果を8月にだしたので、そのデータを参考にして逃げるかどうかなどを決めることはできませんでした。福島の除染も国はまだやっていません。4月に大臣が福島にいって田んぼに「ひまわり」を植えていました。そして9月になって「ひまわりは意味が無かった。表面の土をとっておけば良かった」などと言っているのですから、どうにもなりません。

 

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ところで、915日、事故から6ヶ月を過ぎて、やっと厚労省は乳幼児食品にたいする基準を決めようとしています。長く11ミリの規制をしていたのに、急に5ミリ以上の暫定基準に変え、乳幼児が毎日飲む、ミルクや牛乳メーカーにベクレル表示をするように指導しなかった罪は深いものがあります。

 

あまりにも遅い対応ですが、ともかく乳幼児の身になって基準が見直されれば朗報です。現在の5ミリでは食品だけですから、外部被曝も入れると10ミリ近くなり、1年に200回のレントゲンを乳幼児にとらせることになります。

 

食品の基準は、1)外国の一部の食品が汚染されているとき、2)国内が汚染されたとき、3)乳幼児がミルクなどだけを飲んでいるとき、などに分けて「希釈率」を決めて行われます。この点も問題で、現在の日本のようにほとんどの食材が汚染されているときには、希釈されない(汚染されない食材があることが前提で、綺麗な食材を食べることでベクレルが下がる)とするべきです。

 

希釈率を低くとる(たとえば0.1)と、基準値が高くなります。たとえばそれで300ベクレルと決めると、300ベクレル以下の食材が「汚染されていない=安全」となります。ところが希釈率を1.0にすると、30ベクレルになり、今度は多くの食材が「不安全」になるのです。つまり希釈率を国が適当に調整して、基準値を上げて国民を被曝させ、食材の多くを「安全(本当は危険)」にしているのが現在の暫定基準なのです。

 

でも、継続的なお母さん方の努力が国をやっと動かすようになりました。専門家の委員会が開かれますが、3月の委員会のように「乳幼児の健康などどうでも良い。生産者の生活を守れ」という発言が中心になったようなことにならないためにも常に委員会の監視が必要です。(希釈率がややこしいので、音声を入れました)

 

 

「takeda_20110916no.139-(5:01).mp3」をダウンロード

 

(平成23916日)