8月に見られた急激なヨウ素などの放射性物質は、日本で広く東北から西日本まで見られ、当初、排水などと思われていましたが、空間に広く観測されています。さらに、放射性物質の種類が福島原発からのものではないとも考えられます。
可能性としては、医療用がありますが、もし医療用とすると膨大な量になり、「そんなに使っているのか?」ということで医療関係者が隠している可能性が出てきます。福島原発以外のものとすると、中国の事故や黄砂などまったく別のものを考えなければならず、相当な検討が必要です。
幸い、現在のところそれほど高い値ではないので安心(すぐに避難するなどのレベルではない)ですが、原因を突き止めておく必要があり、調査しています。(「それほど高い値ではない」というのは、普通なら大変なことですが、何しろ3月に80京ベクレルという量が漏れているので、それから比べるとという意味です。)
ヨウ素の件では読者の方に有用な情報を多くいただきました。たとえば、福岡の空間のデータ、長崎の汚泥、医療用の総量、岩手や東京のヨウ素・・・などで、さらに専門家の解析結果なども教えていただきました。ありがとうございました。
前にも書きましたように、このブログは正確を期しますが、それより「日本のお父さん」(おっちょこちょいで、間違いも多いが、家族を愛していることだけは負けないお父さん)として、わかる範囲は少し情報があやふやでも早めに書き(お父さんが家庭で「どうもこんな話もあるよ」というようなこと)、それから少しずつ正確にしていきたいと思っています。
私はまったく気にしませんが、ヨウ素の速報を書いて最初にきたメールが次のようなものでした。もっとひどい人格攻撃も受けていますので、慣れています。おそらく書いた人は「ネットの書きかた」としてこのような書き方が「普通」のものと思っておられるのでしょうが、時には「普通の生活の礼儀」を思い出して貰いたいと思うことがあります。以下のようなメールでは、事態は改善されず、子供の被曝を減らすことにも役立たないからです。
「「あなたはバカですか?学者ですか? なぜ原発由来のものが、東京の下水にしか出てないかを考えましたか? 空間線量は調べましたか?上水道の値は調べましたか? 文章から見る限り、大衆週刊誌の記事をもって発言されているようですが。 学者ならもう少しくらいご自分で調べてから、速報出してください。 なお、他の学者さん達はほぼ大方の原因を掴んでおられますよ。」
マスコミが怪しい時代、ネットの情報はとても重要ですので、国民の財産と思えますが、それをダメにしているような気がして残念です。「ヨウ素は東京の下水にしか出ていないので・・・」と前向きなご連絡でも同じではないかと思うのですが。
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また、フランスで核施設が火災を起こしましたが、まだ原因などハッキリわかっていませんが、福島と同じような水素爆発などの可能性があります(つまり通常の工場の爆発と類似していて、それが原子力施設だったということ)。ただ、核廃棄物の施設なので原発のように「活動中のもの」ではないので、影響は小さいと思います。
ただ、この事故で地元消防が活動していることに注目する必要があります。原子力をまったく別のものとして扱い、社会の防災体制に入れていない日本は、福島で痛い目にあいました。原発の防災体制を地元消防がやるようにならないと、事故の時の安全性は改善されないと思います。
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牛乳の汚染が少しずつ明らかになってきました。10ベクレル以下の汚染はあるようで、中には数10ベクレルもあるのですが、これに対して給食などと関係する教育関係者が相変わらず「大丈夫」と言っているのがとても気になります。それは「大丈夫」なのではなく、子供の健康より「面倒だ」というのが先だっているからで、私は「面倒だから子供が被曝しても、大丈夫と言っておこう」という人は教育界から去った方が良いと思います。
幸いなことにまだ「この牛乳はダメ」というのは出てきませんがともかく注意が必要です。4月から子供をもつ親が心配しているのに、牛乳メーカーがベクレルを表示しないというのは異常です。今後も(放射線に限らず)不誠実な製造を続けるでしょうから、食生活を牛乳離れすることがもっとも大切です。
(平成23年9月13日)