70年前に日本が大東亜戦争を始めたとき、国民のほとんどは戦争に賛成した。その中でも「真実」を知って賛成した人もいるが、多くの国民は偏った報道によって事実を知らず、戦争に突入したとされている。

 

当時、国民に事実を知らせなかったのはNHKや朝日新聞などだったが、「軍部が報道統制を行い、それに屈服した」ということになっている。しかし、この言い訳も奇妙だ。自らの職業が「事実を伝える」という報道に行ったのなら、「自己都合」、「病気」などを理由にNHKや朝日新聞を去るか、逮捕されても良いから真実を報道するかの選択をするべきだっただろう。

 

しかし、現実はアメリカやイギリスへの敵愾心を煽り、ドイツのヒットラーを神格化して日本は戦争に突入して敗北した。もしかするとすべての事実が国民に知らされていても、戦争になったかも知れないが、国の指導層が国民に事実を知らせなかったのだから、全責任は国の指導層にあった。

 

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今、70年前の暗黒時代と同じようなことが行われている。言論が自由な日本だったが、現在の日本国内の情報統制は激しく、国民はほとんど事実を知らされていない。その結果、日本は世界の孤児になりつつある。誤報を流し続けているNHKや朝日新聞は誤報による国民の損害を購うことはできない。そしてもともとそんな役割を国民は期待している訳ではない。

 

地球温暖化の誤報がその一つである。私は温暖化は良いことだと判断しているが、社会に地球温暖化が危険であると考える人がいても良い。しかし、人を説得するのに「ウソ」を言う必要はない。最近、台風による被害が大きかったので、また「温暖化」が話題になってきたが、次のことを知っている日本人は少ない。

 

1) 温暖化すると南極の氷は増える、

 

2) 「ツバル」という珊瑚礁の島はまったく沈んでいない、

 

3) アルプスやヒマラヤの氷河は歴史的に変化していない、

 

4) 日本は四方を海で囲まれているので「空気の温暖化」の影響を受けない、

 

5) もっともCO2を出し、大陸なので大きな被害が想定されるアメリカと中国がCO2削減をやっていない、

 

6) 京都議定書を守り、実質的にCO2を削減しようとしているのは日本一カ国である。

 

機会があって、私がこのことを説明すると驚く人が多い。なぜ、NHKや朝日新聞は誤報を続けたのだろうか? 良心的な人はウソをつかないから、このようなウソを良心的についたということはないのは当然だ。良心的ではないとすると、利権、利得などしか考えられない。巨大な報道機関ということを利用して、ウソを連発するとなると戦前と変わらないように思う。

 

また、温暖化で何が起こるかということについても、最初の「海水面が上がる」がウソとわかると、次々と温暖化の影響を変えてきた。「マラリアが増える」、「台風が増える」、「農作物が減産する」、「ブロイラーの生産量が減る」・・・一つ、否定されると、また新たな影響を出してくるということが続いた。

 

NHKや朝日新聞を素朴に信じている人が可哀想だ。なにしろ英語で報道される外電や基礎的データを見ないと真実がわからないようになってしまった。

 

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世界の4%しかCO2を出さず、海洋国家で温暖化の影響を受けない日本が、「世界の環境を守ろう!」と叫んで子供のように突き進んでいく姿に世界の人は日本人に対して奇妙ささえ感じている。世界の政治はまだ「世界の環境」などという段階にはなく、「温暖化を唱えてアジア諸国の発展を押さえ込み、原子力を進めよう」などという作戦があるこはごく当然のことだからだ。

 

「原発事故で苦しむ福島の人を助けるのには、除染して被曝を減らして健康を守り、産業の打撃を補償して助けるのが当たり前だが、除染はせず、補償金は出さず、ただ福島の子供たちの被曝と、全国に放射線を拡げることで「子供を被曝させることによって、痛みを分け合う」というのでは奇妙な民族と思われても仕方が無い。

 

地球温暖化騒動や最近の大震災と原発事故を見ると、残念ながらこの言葉を思い出す。私たちは民主主義を信じ、事実を直視する大人になることはできないのだろうか? そんなことで次世代の子供を守ることができるのだろうか?

 

(平成23912日)

(注)この記事の最初のタイトルは別の表現をとっていましたが、ある読者の方からご注意を受けました。少しニュアンスは違うのですが、社会でかわいそうな目にあっている人を一人でも出さないために、タイトルを変更しました。