良心的な農家は、法律で禁止されている農薬を含んだ作物を出荷するだろうか? 良心的な農家は危険な農薬を含んだ作物を「安全だ」と言って出荷するだろうか?
良心的な農家は、禁止されていない農薬でもできるだけ少なくし、自分が作った作物を食べる人に害を与えないようにと心を砕いてきた。まして子供の給食に農薬を含んだ作物を食べさせようとはしないだろう。それが私が今まで考えていた「良心的な農家」だ。さらに進んで無農薬野菜を推進していた農家の方もおられた。
また、中国の野菜などに日本では使われていない農薬が含まれていたとき、多くの人は中国を強く非難した。でも、それは他国のことであり、もしイヤなら日本に輸入するときに検査をすればよい問題もあった。
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今まで日本の農作物には原則として「放射性物質」は含まれていないかった。だから、農家は農薬や食品添加物には敏感だったが、東電から飛んできた放射性物質に不意を突かれたことは理解できる。
でも、日本の法律は「1年1ミリシーベルト」という限界を決めており、特に子供は「感度3倍、被曝3倍」で10倍ぐらい注意してあげなければならない。
日本政府が出した「暫定基準値」は1年5ミリから20ミリに相当し(政府は計算結果を発表していないが)、外部被曝を受けている子供たちには法律違反になる基準だ。また、汚染が一部なら「米だけ、肉だけ」に限定して計算できるが、食材全体が汚れている時には、外部被曝、水、運動による土ホコリなども含めて被曝する子供たちを基準にして計算しなければならない。
良心的な農家は政府がどのような指針を出そうとも、実質的に安全な作物を出荷するだろうと思う。事実、私のメールには「汚染されたものは一切出荷したくない」という良心的な農家は多い。是非、農家の方は職業としての誇りをもって「日本のどこにいても、元気に遊んでいる子供に1年1ミリを超えない」綺麗な作物を出荷して貰いたい。
子供は声を上げない。子供は霞ヶ関に押しかけない。子供は大人を信じている。
(平成23年9月7日)