今の日本人の願いは北海道や九州、それに日本海側の魚が汚染されないことです。もし汚染が日本全体に拡がると、私たちは古来、長い間親しんできた「魚」を食べられなくなるのです。

 

北海道は最近になって魚の汚染を発表し出しました(輸出する魚については日本人の健康とは関係なく測定する必要がある)。ストロンチウムを測定していないなどまだ問題はありますが、それでも目に触れるようになったこと評価したいとおもいます。

 

道民の健康に直接関係する情報をまだ生産者のことを考えて、自治体も積極的ではなく、北海道の新聞やテレビがまだ報道を控えているという問題もあり、このブログでその一部を紹介します(データは読者の方から提供され、私が抜き出して表にしたものです)。

 

 

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測定結果は汚染がひどいというわけではありません。これまで「北海道の魚は大丈夫」としてきましたが、「少し注意する」というレベルです。

 

汚染の数値は「政府が決めた暫定基準値」より低いのですが、暫定基準値は15ミリから20ミリに基づいているので、暫定基準値を使うこと自体が危険と言う奇妙な状態になっています。

 

つまり、311日以前の考え方では、1キログラムあたり20ベクレル程度が限度です。その点ではすでにタラやサバといった主要な魚が注意領域に入っています。

 

でもマダラやスケトウはその海に比較的じっとしている、いわゆる底魚なので、それがかなりの汚染をしているというのは、北海道の近くの海まで福島の汚染物質が流れているか、あるいは餌になる魚などの問題なのか、汚染経路を急いで調べてみる必要があるでしょう。

 

私たちとしては、今まで「北海道は大丈夫」としてきたのですが、「やや危険」となりましたので、今後はベクレルの動きを慎重に見ていく必要がでてきた。今のところ、買っても良いということです。

 

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この問題はもう一つの課題を含んでいます。北海道庁も新聞やテレビも「政府が決めた暫定基準値」が北海道の道民にとって適切かどうかを住民の命を守る自治体や表現の自由をもつマスコミとして判断し、その上で取り扱っていないということです。

 

単に「政府が安全と言ったから」と言っても、日本国内の法律に違反しているのですから、法律に違反している暫定基準でも、従来の法律で決まっていた値でも、どちらも採用することができるのです(自治体やマスコミが食材のベクレルからシーベルトへの換算ができるということが前提ですが)。

 

この点でも、今回の震災で民主党政権は「非常時の法律」をまったく成立させることができなかったり、被曝の限度を突然、あげたりしてほぼ無政府状態になっているのはとても問題です。

 

また福島県は生産者の補償問題で気合いをあげていますが、子供たちの被曝を減らさないと病気になってからの補償というのでは無策のそしりを受けるのも仕方が無いと思うのです。

 

(平成2392日)