被曝によって生じる「軽い」症状として、咳、鼻血、疲れやすいなどが報告されています。お子さんにこのような症状がでると、お母さんはとても心配になるので、「軽い」と言えるかどうかはわかりません。

 

このような状態のときにお医者さんに行くと、「おそらく風邪でしょう」とか「夏の疲れがでたのだと思いますよ」と言われるでしょう。

 

ところがお母さんはお子さんの健康状態やこれまでの病気のことから、「風邪や疲れではない」と直感的に感じておられるので、お医者さんの言葉は解決にはならないのです。

 

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まず、環境汚染に関する過去の類似した例を振り返ります。

 

新築の家に住んだ人の中でひどい症状がでたときに、お医者さんに行ってもまったく取り合ってもらえず、住宅メーカーも「神経質な人だな。クレーマーだ」というぐらいの対応でした。

 

ところが研究を進めてみると、「ハウスシック病」であり、今では原因が特定され、住宅メーカーは深く反省し、治療法もできてきました。

 

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なぜ、お医者さんは冷たいのでしょうか? なぜ、住宅メーカーは冷ややかだったのでしょうか?

 

お医者さんや住宅メーカーの人ばかりではなく、「仕事」が忙しいこともあって「お客さんの気持ち」になることができないのです。当時、私は次のように言っていました。

 

「苦しんでいる人がいるのだから、親身になって原因を追及し、丁寧に治療したらよいのに。苦しんでいる人がいるという現実を見ないといけない」

 

でも、それは少数派で、ハウスシック病で苦しんだ人が戦ってやっとみんなが非を認めたのです。今、原発事故があっても、それは変わっていないのです。

 

お医者さんというのは、勝手に判断してはいけない職業です。たとえば、「この患者さんには安楽死が良い」と思っても、それはダメなのです。つまり、お医者さんは「医師会などで十分に研究し、その治療法を患者さんに適応して良いとなった治療」だけをするのです。

 

これは大切なことで、もし個人個人のお医者さんが勝手に治療法を開発したら、ある時に「ああ、風邪ですか。それなら左腕を切り取りましょう」などというお医者さんが出ないとも限らないのです。

 

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全体の状態は理解できましたでしょうか? 広島やチェルノブイリの例しかない被曝については、わからないことが多いし、ガンや遺伝性疾患などの重大な病気が先なので、医学は進んでいません。

 

だから、まずはわからないと言うことを納得して、

 

1) 被曝を減らす、

 

2) 快復力をつけてあげる、

 

という前向きの工夫をすることです。原因がなにかなど追求していると、お子さんの状態は改善されないと思います。被曝は、それで病気になったら治療ができますが、「被曝を減らす薬」というのはないで、被曝を減らし、快復力をつけることしかないと考えて行動することでしょう。(音声あり)

 

「takeda_20110820no.89-(4:16).mp3」をダウンロード

 

(平成23819日)