5月18日、午前9時から12時まで国会(衆議院)文部科学委員会で参考人として陳述をしてきました。
私の論点は3つ、
1) 日本の原発は自然災害で破壊する、
= 国策で大災害をもたらすことをやっている。
2) 放射性物質が漏洩することに国は防御計画がない、
= 国策で国民救済をしないことになっている。
3) 原子力基本法の「公開の原則」が無視されている.
でした。
さらに、代議士の方との議論は「小学校の20ミリシーベルト」に集中しました。
私は次のことを主張しました。
1) 福島を汚しているのは、単に「粒」なので、全力でできるだけ早く除去すれば、農作物は汚染されず、小学生も被曝しない、
2) 「粒」を福島全体で除去すると効果はさらに上がるので、国がやるのが望ましい、
3) 「1年20ミリシーベルトでも安全」という人がいるが、安全というデータがないのに人の命に関わることを言うのは医師とも専門家とも呼べない、
4) 文部省の1時間3.8マイクロシーベルトというのは、内部被曝を入れていないこと、学校以外の線量率を低く見ていることなどから、1年60ミリシーベルト相当である、
5) 子供はあらゆる面で大人より被曝量が多く、放射線に対する感度も高いので、子供を守れば大人は守れる。
すべて今までの私の考えですから、特に新しいことはありませんが、国会の場で発言の機会を作っていただいたことに深く感謝しました。
少しでも早く多くの子供の被曝が減ることを願っています。
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文部科学委員会の議論を通じて、私は次のように結論することができました。
● 1年100ミリシーベルト以下の被曝では「医学的にハッキリとしたデータがない」こと、
● 「データがない」ということは、誰も「危険」とも「安全」とも言えないこと。
● 繰り返すと、「20ミリまで安全だ」という人は「何の根拠も無く言っている」ことになること、
● 1ミリから100ミリまでは「データがないが、危険性が高い」ので「国際的に約束した方程式を使う」と決まっていること、
● だから、1年1ミリ以外の数値は「一般公衆」で「健康のチェックもしない」という状態ではあり得ないこと、
● 仮に、「一般公衆」で「健康チェック、注意」などをすれば、5.2ミリまでは「安全のようだという実績」があること、
● 従って、一般公衆に対して、1ミリと5.2ミリ以外の数値はないこと。
今年、3月の初期被曝をした人は、1年5.2ミリを下回ることが難しい場合もありますが、少なくとも来年以後は、国民全体が1年5.2ミリ以下を守ることができるのです。
そのための除染を大至急することが、今、日本国にとってもっとも大切なことと思います.
そして、綺麗な大地を取り戻した後、放射線医学、放射線防護の人たちが、慎重に「1年何ミリか」を検討して結論を出してください。
それによって「原発を選択できるか」も決まります.
つまり1年100ミリなら今の原発でもほぼ大丈夫で、原発は主要な電気を発生させるもっとも大切なものになるでしょう。
逆に1年1ミリなら、今の原発はすぐ止めなければなりません。ものすごく大きな選択なのです.
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でも、私は、こんな無意味な議論をして、除染の対策をとらず、子供達が人体実験を受けているという状態はまったくナンセンスと思いました。
(平成23年5月18日 午後5時 執筆)