父は剣をとって敵と戦い、武運つたなく斬り殺される. そして君もまた父に殉じる.

爆弾が頭上に落ちるとき、母は君を胸に抱いて爆弾に背を向ける. そして母は焼け焦げ君もまた命を落とす.

何も出来なかったじゃないかと言わないでくれ.

それで良いのだ. 君は父と母の愛のもとで眠る.

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郡山の父は校庭の表土を除いた。君は26ミリシーベルトから8ミリシーベルトになった。

君は父を尊敬するだろう.

母は君を抱いて走った。知らない土地、辛い仕打ち、乏しい財布、その中で必死に逃げ、そして今、郷里に帰った.

母の心は病んでいる. もう少し逃げたかったが・・・それは出来なかった. だから母は自らを責める. 

君は母を愛するだろう.

人は万能ではなく, 人には出来ないことがある. 君もそれは承知だ.

人ができること、それは爆弾が空から降ってこようと、目に見えぬ放射線が体を貫こうと、愛する子のために我が身を犠牲にすることだ.

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私たちには希望がある. それは全力を尽くした後に、子らは私たちを見つめてくれる. 

私たちは、決してくじけることもなく、決して自らを責めることもない.

私たちは、爆弾に背を向ける母のように全力を尽くし、それで子らは満足する. 

(平成235月3日 夕暮れの郡山にて)