ここでは、これまで3回の「どうすれば良いのか?」のまとめをできるだけわかりやすく説明する積もりです.

福島原発が爆発して、膨大な放射線物質が放出されました。その時、危険性は「1倍から25倍」の範囲でした。つまり、1倍というのが3月15日、25倍が将来で、爆発規模で10倍はあり得るし、プルトニウムで2.5倍の危険性があると私は考えていました。

これは、政府、NHK等が繰り返していた「もし注水に失敗したら大量の放射線がでる」、「きわめて深刻な事態に陥っている」という文学的表現を、私の判断(過去の実例と理論など)に基づき数値で示したものでした。

それが今は「1倍から2倍」に入るようになりました。1倍から2倍ぐらいになると、具体的にどのような行動をとればよいかが決まります。そこで、緊急情報(22)「被曝限度」と(23)「地域ごとの被曝量」の表を出したのです.

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たとえば、福島の人の被曝量は、1時間あたりの量として(体内も含む)6マイクロから12マイクロですから、おおよそ10マイクロぐらいです。東京は1から2ですから2ぐらいと考えます. そして、汚染が1ヶ月で終わるとして(少し甘いが)管理区域(被曝量を測定し、健康診断を行う)として注意するのが7マイクロですので、福島市の人は「組織的に管理区域に入る」レベル、東京は「個人的に注意する程度」であることが判ります.

一方、女性(赤ちゃん)の場合は6マイクロですから、福島市の女性は1ヶ月以内に移動するか、何らかの対策をとる必要があります(放射線の法律によればということです)。

男性は68ですから、どの地域でも汚染された食品をとらなければ大丈夫です.特に年配の男性は問題がないレベルになりました。

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ここまで来ました。

でも、昨日の福島の放射線を見ると、もっとも高いところが90もありました(原発から30キロより外ですが)。そうなると、その地域におられる人は福島の9倍になりますから54となり、女性はもちろん待避しなければなりませんし、男性もギリギリになるので、1ヶ月たったら移動が必要です.

このことで判るように、15日あたりからご自分が住んでいるところの毎日の放射線の平均をとって、得られた値を、その期間の総時間で割るのです。それが2になるか10になるかがでると完璧に自分や自分のご家族の被曝量を計算できて、しかもそれが危険な状態かも判ります。

たとえば、15日から、2(マイクロ/時)、3,6,1,4と5日間の平均の値が判れば、2+3+6+1+4=16で、それを5でわると、“3.2”になります。それを緊急情報(22)の表と見比べると、「被曝量は管理し、健康診断を受ける必要」があることが判ります。

ただ、同じ表の「テレビの専門家のコメント」より値はかなり下回りますから「直ちに健康に影響」はでませんから、すぐ入院などは不要です.

ご自分の被曝量を計算しておけば、これからも放射線量を見ていればだいたい、見当がつきます.

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問題は、「体内被曝」です。これからは外部被曝が減ってきて、体内被曝が増えてきます.当面は「外部=体内」として外部の2倍にしておくのが良いでしょう.

というのは理由があります。外部と体内は「同じ原因」で起こるからです.

福島原発が爆発して飛散した放射線物質は「その場所に飛んでくるから」放射線の量が上がるのです.その物質は、衣服につき、土に潜り、野菜に乗り、川に降ります.だから、空気中に漂う放射線物質がそのまま、放射線の量にもなり、野菜の汚染にもなるからです.

次のブログで説明しますが、ホウレンソウとか水道水だけが汚染されているわけではありません。小さい粒が空気中を飛んで来るのですから、作物の種類にもよらないのです.

牛乳が汚染されているのは草を食べるからだと解説されていましたが、おそらくは今のウシは牛舎の中で昨年とった乾燥した草を食べているとしたら、飼料には放射線はないと思いますので、空気中の放射線物質を吸い込んだからでしょう。これは人間でも同じです.

少し飼育の状態を調べて見たいと思います。

福島県の人に悪いのですが、福島産の作物はすべて汚染されているはずです.残念ですが事実は事実です(福島と言っても、会津の方は汚染が弱いので少ないと思います.また、放射線レベルが2マイクロ(毎時)以上のところ、茨城の北、栃木の北なども汚染されている可能性があります。

(その地域の人には申し訳ないのですが、このような時には事実が大切ですから。空気中を飛んでくるので、どうしても汚染されます.

(平成23323日 執筆)